FA宣言

10年続く会社は10%にも満たないらしい。
私は社長に呼ばれた。
そして社員を何人か切らなければならないことを聞いた。

会社の方針転換から2ヶ月。
大きなビジネスに手を出したいこと、見てわかるほど成長したいことは会議や社長の口ぶりで把握できていたはずだった。


半年前に転職活動をしていたときはまだそんな兆候はなく、ただ単に当時の上司と社長が少し信頼できなくなったからだった。
信頼を失った時点で辞めておけば良かったが、フラフラした気持ちで受けた面接は通るはずがなかった。
社長に相談してまだ会社でできることを知ったからこそ望みをかけて残留を決意した。
新しい仕事にも取り組んで積極的に前に出て行った。

そしてこの有様である。
売り上げが伸びていないのは数字を見れば明らかではなかったのか。
やりたいプロジェクトも収益構造を考えた上で方針転換したのではなかったのか。
踏まえて新人を4人も雇ったのではなかったのか。

人を切る、となったら私の部署がなくなることは決定的だ。
私はもう前の部署には戻れないし、戻るつもりもない。
事実上の戦力外通告ではないか。

今私は最後の望みをかけて残留できる可能性を模索している。
何度も見てはうやむやにされてきた数値、リサーチ結果を社長に叩きつける時がきた。
そして今度こそ辞めてやるのだ。
もう将来性がないとわかったからな。

もっと深く考えたいこと、調査したいことがあった。
喜んでくれる人たち、関わってくれた人たちの顔が忘れられない。

少なくとも今週中には決断をしなくては。


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