見出し画像

「例のAV」イベントレポート


 本件の流れですが、まず、月島氏、稲森氏主演のAV作品「似非フェミニストの闇落ち快楽性交!!」が、「特定の団体をモデルにしている」と一部から問題視されました。さらに何らかの圧力により、FANZA、U-NEXTなどのプラットフォームで取扱が中止され(後述しますが後にAmazonも)、作品は自社流通へと切り替えになり、今回のイベントへと至った次第です。

 今回の件は「文句を言う人も」「プラットフォーム側も」「誰も作品を見ていないのに」、断片的な事前情報だけで販売中止に近しい状況に追い込まれた、というところに問題性があります。そして、それが今後も起こりうる状況にあるのです。登壇者からは特にそういった問題意識を強く感じました。

 この件に関しては、様々な意見があると思うので、当記事ではイベント内容を客観的にお伝えするに留めます。

■会場は満員


 チケットは予約分完売、当日券も完売して会場のロフトプラスワンは満員となっていました。月曜19時スタートのAVイベントで満員になることは珍しいようです。

 壇上に上がるのは、プロデューサー氏、監督の円さん、主演の月島さんと稲森さん。フリートーク→じゃんけん大会→オークション→物販の流れで進行しました。

 以下は主にフリートークの内容です。

■撮影の経緯

 本作の撮影自体は5月の連休明けに行われました。経緯としては、まずAV新法の件で月島さんがX(Twitter)上で意見を発信していたのがプロデューサー氏の目に止まったとのこと。

 このプロデューサー氏はAV新法をネタにした作品を作っており(『業界激震!?AV新法のせいで女優さんのドタキャンで撮影中止になるのを回避させたい監督に懇願されAV出演させられた社員ADの私。「中出しまでされるなんて聞いてませんよ!!」』と思われる)、それを月島さんがX上で宣伝。

 そこからプロデューサーに対し「私も炎上したいです」と月島さんが逆オファー。監督の円氏が以前から「本格的なドラマ作品が撮りたい」と言っていたこともあり、今回の作品へと繋がったという流れです。

 プロデューサー氏も監督氏も、それまでは「フェミニストのことはよく知らなかった」そうです。「月島さん」「本格的なドラマ」などの条件が揃ったことで題材を探した結果、このテーマに行き着いた、という感じを受けました。当て書きのようなニュアンスでしょうか。

■監督「月島さんが怖かった」

 プロデューサー氏は月島さん主演で作品を作ることにノリノリだったものの、監督は「怖いから嫌」だったそうです。Xでの月島さんは個性的ですからね……。「撮影日が近づくと憂鬱になっていた」「(月島さんのアカウントを)ミュートしてた」と監督。

 それを受けて、月島さんから「私のこと怖いと思ってた人、手を挙げてー」と言われると、会場でもぱらぱらと手が挙がっていました(私も)。中には「Xで月島さんとレスバした」という人も来ていたようです。

 また、監督は月島さんの演技力にも不安があったとのこと。監督の円氏は自身が俳優でもあるので、月島さんが巨大になる作品の動画を見て、「演技、これかぁ……」となったようです。

@giga_webhp

月島さくらさんが巨人になったでチュ🐭 「特撮チャンネルスピンオフ 悪の女宇宙人バーラ」 出演:月島さくら 監督:羹灼 ※作品に本シーンは含まれていません ※8月リリース予定 #月島さくら #特撮 #巨人 #コスプレ

♬ オリジナル楽曲 - 特撮ヒロインGIGA公式🐭 - 特撮ヒロインGIGA公式🐭

(見たのはこれでしょうか?)

 しかし、月島さんいわく、「その演技は監督からの指示!」。実際、今回の現場では月島さんの演技力も人当たりも問題なかったそうです。

■各プラットフォームの対応

 今回の作品はFANZA、U-NEXTから取り下げられ、さらにAmazonでも取扱中止となりましたが、各社の対応もそれぞれ違っていました。

 FANZAとAmazonは協議も通達もなし。理由も何も伝えられなかったようです。U-NEXTはかなり協議した結果として不可。SODは流通を継続する意向でしたが、こちらはメーカー側から「迷惑が掛かってはいけないので」と取り下げた形です。

「FANZAもAmazonも誰一人作品を見ていない。なのに、誰か声の大きな人が一人言ったら今後も作品を取り下げるのか? プラットフォーム側にも今回のことを、考えるきっかけにして欲しい」とプロデューサー氏。

「政治家の圧力がなどがあったのか?」との会場からの質問には、「……表立ってはなかった」とのこと。そ、それは、つまり……。プラットフォーム側が完全にビビって自粛したわけではなく、「FANZAとかにはあるラインから苦情が入っていた」とのことです。

■訴訟リスクはどう考えていた?

 会場からの「訴訟リスクは検討されたんですか?」との質問には、プロデューサー氏は「はい」と即答。今は原告がいない状況であり(誰も見ていないので当たり前ですが)、「司法が判断することなので」「名誉毀損だと思う人がいるなら言ってきて頂ければ」とも言っていました。

 なお、それに関して、「特定団体のロゴに寄せた」と言われていた、劇中で使用された名刺ですが、この名刺をデザインした社員さんによると……

https://twitter.com/vidaloca_nuts/status/1721561793519337981

 とのことです。なるほど?

■AVの売上の実際と今後の展開

 AVの売上においては配信も円盤(DVD)もどちらも重要とのこと。本作のような「企画モノ」の円盤は年で500本も売れないのが普通で、「年300本しか売れなかった」などもざらにあるようです。

 今回はAmazon予約だけで800枚あり、「千と千尋を抜いてトトロに迫っていた」状況で、これはかなりの異例。Amazonでの予約分がちゃんと売れていれば、これだけで黒字になっていたとのことです。

 本作は今後は自社流通となります。ホットエンターテイメント社のオフィシャルサイトで本作専用のオフィシャルページが作られ、そこでの通販と、全国の店舗でのDVD販売が行われる予定です。芳賀書店ではリリースイベントも企画されています。配信は現在協議中ですが、一社、意欲的に取り組んでくれているようです。

 本作のためだけに新しくレーベルも作られるらしく(「マドカ」)、この販売体制であれば「どこから何を言われても関係ない」とのこと。今の状況は「ある意味、似非フェミの"勝ち"なんだけど」「作品が世に出るのが勝ちなので(こちらが)勝ってます」と月島さん。

■じゃんけん大会と物販

 じゃんけん大会ではAmazonギフト券などが(皮肉も込めて)景品として用意され、贈られていました。「おめでとうございます。まあ、AmazonではDVD買えないんですけど」と言われながら……。

 他にもじゃんけん大会の景品として、台本や劇中で使用された「男性器を模したトロフィー」などが贈られていました。

 オークションコーナーを挟んで、最後は本作DVDの物販。その前に会場から「抜きどころを教えて欲しい」と質問が飛びました。

監督「最後の3P。佐川銀次さん(男優)が作り出した雰囲気で、主演の二人が自然に役に入っていた」
稲森さん「月島ちゃんのオナニーがドエロい」
月島さん「最後の3P、登場人物の関係性も含めて見て欲しい」

 とのことです。なお、オフィシャルサイトで500枚売れたら主演女優のお二人にギャラが上乗せされるらしいので、気になった方は今後、発売開始した際にぜひ。

 *

 イベントレポートは以上となります。多角的に状況をお伝えするため、別の参加者の内容まとめツイートも紹介しておきます。

 作品内容に関しても視聴次第レビューを書く予定です。


 さて、以下は支援者限定となります。少しだけ主観を交えた感想と、表に出すと角が立ちそうな話を短く書いておきます。

ここから先は

1,350字
この記事のみ ¥ 300

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?