ファスト&スローから学ぶ実践の行動経済学

人はどのように意思決定をするのか?直観で判断するシステム1と遅い思考で怠け者のシステム2。直観での判断がおおむね正しいときは、経験値によるものが大きいとき。大抵の場合、直観によるシステム1は、よく考えないで判断をするから、おおむね正解で、時に誤る。本書には沢山の実験の結果が書かれている。仕事や生活の中で今まで繰り返していた直観による判断を説明してくれる。
私はどちらかというと、システム1が強く働く傾向にあると感じた。
以下は錯視で有名な図。

画像1


私たちはこれが脳が錯視していると知っているから、長さが同じと判断できる。それと同じように、この意思決定の仕組みを知っておくことで冷静に対処できると感じた。もちろん、脳は錯覚するのだが。

システム1が起こす錯視・錯覚の仕組みを仕事の中にも活用をいしていけたら楽しいと思う。特に面白さを感じた部分を下に纏めた。

プロフェッショナルな直感をつくるには?
人の直感は安易に信じちゃだめだ。
プロフェッショナルの直感的なスキルの習得は基本的には質の高いフィードバックをすぐに得られるかどうか、そして練習し実践する機会があるか。
経済や金融の予想は当てにならない。
看護や消防士、プロの棋士は「十分に予見可能な規則性を備えた環境」「長期間にわたる訓練を通してそうした規則性を学ぶ機会がある」ことで、直感を情報として蓄積することができる。
専門的スキルには限界がある。

アンカリングを用いた交渉術
先手を打ち高額な金額を提示することはシステム1に影響する。例えば相手が途方もない金額を吹っかけてきたら、同じように途方もない安値で応じるのではなく、大げさに文句をいって席を立つかそんな素振りをすることで、交渉をする気がないことを自分にも相手にも示すこと。
または、相手が受け入れそうな最低値はいくらか考えたり、決裂したときに相手が被る損失を計算することに集中するとシステム2が動きアンカリングは薄れる

適性を正しく見抜く面接法
顔立ちや雰囲気から判断するシステム1。
ハロー効果の影響をいかに排除するかが大事。単純で統計的なデータのほうが直観的な臨床判断よりも正しい。職務に合う人格特性のリスト(6項目)を作成して、それぞれについて一連の質問をする。過去の事実について尋ねる。例えば就いた職業の数・欠勤欠席の数・友人と交際する頻度・スポーツに対する興味と参加の度合い。それぞれの分野でかこにどれだけうまくやってきたかをできるだけ客観的に判断する。決まった順序で質問し、質問のたびに評価をする。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?