伝統と革新の5G陰謀論(前編)
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新型コロナ禍で流行した5G陰謀論
新型コロナ禍では5Gに関する陰謀論も流行した。さすがに最近聞くことは少なくなったが、特に有名なのは「新型コロナワクチンにはマイクロチップが含まれており、5Gと接続して操作される。」というものだろう。
この他、ワクチンが開発される前は「5G電磁波が新型コロナウイルス感染症を拡大させている」という陰謀論も流行しており、新型コロナ禍で一世を風靡した5G陰謀論としてはこの2つが挙げられる。
GoogleTrendを見ると、「コロナ 5G」の組み合わせは2020年4月5日〜11日が、「ワクチン 5G」の組み合わせは2021年7月18日〜24日がピークとなっている。
この記事ではまず、記憶にも新しい「新型コロナワクチンで5G接続」陰謀論について見ていく。
上場企業の社長も支持した陰謀論
「新型コロナワクチンにはマイクロチップが入っており、5G接続によって操作される」というまるでSFのような話は反ワクチン系の人々の間で広く流布し、NHKの特設サイトで注意喚起されるまでになったことから人々を驚愕させた。
この現実離れした主張は東証一部上場の住宅会社社長も支持しており、社内で「ワクチン禁止令」を出していたことが文春によってスクープされた。この記事の掲載日は2021年7月20日であり、GoogleTrendがピークを示した時期と一致している。
ここまでの隆盛を誇った「ワクチンを打つと5Gに接続される」陰謀論だが、その内容は冗談のようでもあったために幅広い流布が裏目に出てしまい、「むしろ便利だから接続したい」、「(打った人に向かって)5G繋がった?」などと一般人にネタにされてしまった。このためか、反ワクチン支持者の間での熱狂は収まり、最近ではあまり見かけられなくなっている。
英語圏でのきっかけはビル・ゲイツの発言
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