ぶっ飛びすぎ!?スピリチュアル系コロナウイルス陰謀論。

◆ぶっ飛び陰謀論との出会い

2週間ほど前だろうか。ネットの噂や陰謀論について調べるのが好きな僕は、コロナウイルス関連の陰謀論について調べていた。

1月24日時点で、英語圏で「新型コロナウイルスはビル・ゲイツが作った人工ウイルス」という陰謀論が拡散しているのは確認済みだったが、

1月27日には早くも日本に上陸していることを確認。陰謀論が広まる速さを再認識していたところだった。

そんな時だった。僕の目の前にとんでもないものが飛び込んできたのは。

プレアデス人……?キメラ……??プラズマ生命体……!?

一体こりゃ何だ!?!?!?!?

◆COBRA!?

怖いもの見たさで該当ブログを読んだ僕は、更に驚いた。

COBRAアップデート 終末時の狂気 (2020/1/29)

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CORONA_プレアデス人???

カバール……!?スターダストナノ粒子……!?

駄目だ。全く意味が分からん!!

意味が分からなすぎて怖い!!

米国政府がどうのこうの、ビル・ゲイツがどうのこうのならまだ話は掴める。ところがこの陰謀論では、プレアデス人やらカバールやら、謎の単語が連発され、陰謀論を飛び越えてトンデモスピリチュアルになっている雰囲気さえあった。
さらに調べたところ、この「COBRA」は海外の人物で、日本にも支持している人達が結構な数おり、日本版公式サイトが存在していることが分かった。
それがこのサイトだ。

PREPAREFORCHANGEJAPAN

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世界同時水瓶座の時代瞑想!?アセンション!?

これ、完全にスピってね!?

雰囲気からして、裏に新宗教が関わっているかもしれない……。気になった僕は、まず「カバール」から調べてみることにした。

◆謎の単語、カバール

カバールと陰謀論について検索したところ、例えばこの記事が引っ掛かった。

この記事はQAnonについて解説したもので、この中でカバール(Cabal)という言葉が何度も出てくる。なるほど、

・QAnonとは!?

ここで出てくる「QAnon」というのは米国の極右陰謀論者達だ。彼らは2017年に4chanに現れた「Q」という人物の曖昧な予言を解読し、こんな陰謀論を作り上げた。

"CIAやFBI、ヒラリーやオバマは悪魔崇拝のペド集団、「ディープステート=カバール」なる陰謀勢力の手先であり、国際的な子供の人身売買に関与している。これを食い止めようとする勢力が米軍内に存在し、彼らによって擁立されたのがドナルド・トランプである。そして、ロシア疑惑を捜査しているロバート・モラーは、実はオバマやヒラリーを逮捕するために動いている。"

一読しての通り荒唐無稽だ。ところがこのQAnonは短期間で急増し、トランプの政治集会でも目立つようになってきたため注目されている。

アメリカ版2ちゃんねらーが熱狂する「Qアノン」現象の恐怖

そんな彼らが使う「カバール」。ここでようやく意味が分かった。要は悪い奴ら=陰謀勢力というわけだ。スピリチュアル風味に言うと「闇の勢力」といったところか。しかし、人身売買や政府の陰謀が中心のQAnonと、宇宙人がどうのこうのと言っているスピリチュアルの間には随分距離がある。恐らくカバールとかディープステートとかいう言葉は元々ぶっ飛び陰謀論界隈で使われていた言葉で、それをQAnon側が取り込んだのだろう。とはいえこんな記事もあり、両者の間に感じる距離は徐々に縮まっていくと考えられる。

QAnon and UFO Conspiracies Are Merging

この記事では、既存の陰謀論者を取り込みたいQAnonと、新興勢力を取り込みたいUFO陰謀論の思惑が一致し、魔合体を進めていると指摘している。さらに別の記事では、QAnon運動の中心人物がニューエイジ系カルトと接近していると指摘され、このまま進めばQAnon運動に宇宙人陰謀論が含まれた、とんでもないものが出来上がってしまうのではないだろうか。

QAnon Teams Up With Alleged Cult Leader

◆結局「COBRA」とは?

さて、COBRAに戻ろう。PFC-JAPANのサイトを見ていると、こんなバナーが出てきた。

コズミックディスクロージャー

ここに書かれているDAVID WILCOCKはヒストリー・チャンネルの「古代の宇宙人」にも出ていた陰謀論者だ。COREY GOODEも似たような人物。さらに調べると、COBRAなる人物がベンジャミン・フルフォードと対談している記事も出てきた。ベンジャミン・フルフォードも、言うまでもなく陰謀論者である。結局のところ、COBRAも彼らと同じ陰謀論者で、その信奉者が世界中にいるということなのだろう。このファクトチェックサイトでは、「Overall, Prepare for Change is a Tin Foil Hat Conspiracy」とされていた。

ちなみに彼らのネットワークに登録するサイトがあり、信者の位置が地図に表示されるようになっている。日本にも400人以上いることが分かる。

ただ、COBRAが他の陰謀論者と違うのは、特に著書もなく、主な資金源が寄付のみに見えることだ。この点についても継続調査していきたいと思う。

◆結局はニューエイジ

最後に、彼らが信じている年表を見てみよう。

コブラによる地球開放年表

少し見ただけで頭が痛くなってくる内容だが、アトランティス文明やレムリア文明、闇の勢力といった言葉が入っているところから、ニューエイジや神智学の影響を強く受けていることが分かる(ニューエイジ・神智学については拙ブログを参照されたい)。さらにレプタリアン=爬虫類型宇宙人が出てきているところからもやはり、デヴィッド・アイクあたりの陰謀論(爬虫類型宇宙人が悪い奴というのはこの人が発祥)を引き継いでいるのだろう。しかし今でもニューエイジ直系の陰謀論信者がかなりいるのには驚いた。もしかして、スピリチュアル界隈でもレプタリアンやらプレアデス人やらは一般的なタームなのだろうか?これはスピ系の人に聞いてみたいところだ。

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