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大河ドラマ「光る君へ」感想 第4回 五節の舞姫

大河ドラマ「光る君へ」を毎回とても楽しみに観ている。
何とかすべての回で感想を残しておきたいが、まとめるのにいつも時間がかかってしまい、放送からかなり出遅れる。6話の放送も迫っているのに、まだ4話の感想って。。
歴史に詳しいわけでもなく、「源氏物語」マニアとかでもない、ただのドラマ好きが、ただ感じたことを書いています。

先日、こちらの本を購入しました。↓

出演者のインタビュー、ドラマのあらすじ、時代背景、歴史用語、源氏物語の要約など内容は盛りだくさん、「光る君へ」を楽しむための副読本。
個人的には「ゆかりの地ガイド」が気に入っている。
こんなにもあったの!?って。近いうちにどこかは訪れたいな。


「光る君へ」第4回 五節の舞姫

身分の差など関係ない?

やっと三郎(柄本佑)に会うことができたまひろ(吉高由里子)は、自分の素性を明かした。三郎のことを自分より身分が低いと思っているまひろは、「藤原でもずっと格下だから」と身分の違いを気にしなくてもいいと言う。

三郎もまた自分の素性を話そうとしたが、そこに藤原宣孝(佐々木蔵之介)が現れたため、このときは結局まひろには道長であることを打ち明けることができなかった。

三郎とはもう会わないよう、宣孝に釘を刺されたまひろは「身分とはとかく難しいものでございますね。貴族と民というものがあり、貴族の中にも格がある。」とつぶやくと、宣孝は「その身分があるからこそ、いさかいや争いが起こらなくてすむ」と説く。宣孝が言っていることって、正しいかどうかはわからないけど、何となく納得させられる言葉ではある。

そして、論語や荀子などで学んだこととは逆のことばかりしている父を、理解することができないというまひろに、宣孝はこう言う。

「父上も人だからじゃ」

間者として倫子(黒木華)のサロンに通うことに葛藤するも、倫子様には興味があると言うまひろにも「まひろも人だからじゃ」と。

こういうことをさらりと言ってくれる宣孝は、まひろにとって良い相談相手であり、信頼できる存在だったのだろう。のちに夫となることへの伏線というわけではないだろうが。。

まひろは、倫子のサロンでも身分の差について持論を展開する。
「竹取物語」で、かぐや姫はなぜ5人の公達に無理難題をつきつけたのでしょう?という赤染衛門の問いに、「かぐや姫にはやんごとない人々への怒りやさげすみがあったのではないかと思います。身分が高い低いなど何ほどのこと?という考えは颯爽としている」と。
一瞬空気が凍り付き、倫子が身分が高いことを忘れているのか?と言われてしまう。

倫子さま怖い(笑)でも、さすがにまひろも空気読まなさすぎ。

ここまでの話で、第4話では身分について考えさせられる内容となっていることがわかる。

が、実はまひろこそが「身分の違い」に一番とらわれているのではないか?

身分の差など関係ないと言いながらも、三郎に対して自分のことを話せずにいたり、倫子にも興味を持っていたりする。
母の死に関しても、身分の差による影響が大きくあり、それがまひろの心に強く残っているのかもしれない。

詮子の覚醒、貴族の娘の宿命

この第4話では、道長の姉・詮子(吉田羊)の印象も一変する。これまでは円融天皇に尽くすかわいらしい女性(しかも20歳前後)と言う印象だった詮子。年齢的にもなぜこのキャスティング?と思っていたけれど、詮子を吉田羊さんが演じているのは、そういうことだったのか。とやっと理解した回である。
父・兼家(段田安則)が帝に毒を盛って退位させたことを知り、兼家と3兄弟の宴に乗り込むシーン。
怒りと悲しみにより取り乱しながらも、我が子である懐仁親王は自分が守っていくという強い覚悟も現れていた。

それにしても、円融天皇から詮子への言葉が冷たすぎて、辛かった。
円融天皇が投げつけた扇が詮子の頬をかすり、血が出ているのを見て、

「人のごとく血など流すでない。鬼めが。」

兼家への恨みがあるからって、
天皇がこんなこと言う??鬼って。。
こんなこと言われたら、そりゃ正気じゃなくなる。

そして、詮子の思いは右大臣家の男たちにはまったく響かず、逆に、この一件により、この父と3兄弟はさらに結束が強まることになる。

詮子と対照的なのが、左大臣家の姫である倫子である。
父・源雅信(益岡徹)から入内を打診されてもきっぱりと断る。
詮子のようにはなりたくないと。
もともと娘を出世の道具には使いたくないと言っていた源雅信なので、
女好きと名高い花山天皇にはやはり入内させたくないと思いなおす。
自分の出世欲より、娘への愛情のほうが勝っているのでしょう。

右大臣と左大臣、父娘の関係にこんなにも差があるとは。
源雅信は娘に甘すぎるような気もするが、現代というか令和の父親は皆こんな感じかも。

道長の姉である詮子と、道長の妻となる倫子。
この二人の女性が今後どのような人生を送っていくのかを見ていくのも楽しみ。

五節の舞、ついに三郎の正体を知る

五節の舞のまひろちゃん、美しかった。
見初められない自信があるって言ってたけど、絶対注目されるでしょ。
道長は居眠りしてたけど。

舞の途中でミチカネを見つけ、動揺するまひろ。
しかもその隣に三郎が。

紫式部が実際に五節の舞を行ったかどうかはわからない。
この五節の舞で正体を知るという4話のクライマックス。
倫子の代わりにまひろが舞姫を引き受けた時点で予想はできていたけれど、三郎の正体を知るのが五節の舞になるような展開、良かった。
二人の出会いからここまでひっぱってきたが、ここでつながったという感じ。道長が居眠りしていてまひろに気づいていないというのも、うまい設定だなと。

まひろは、三郎が母の仇であるミチカネの弟だったことにショックを受けて、倒れてしまった。
第5回「告白」では、二人の関係はどう変化しているのでしょうか。

第4話では、他にも花山天皇(本郷奏多)と忯子(井上咲楽)のシーンとか、盗賊の話なんかも気になったけれど、今回はこのあたりで終わります。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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