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母、約束を違える。

お盆休み中の水曜日、パパが
「お義母さんと義弟ちゃん(高次脳機能障害、失語症あり)誘って、ごはん食べに行こうか」
と提案してきた。

先の日曜日に、失語症当事者会があり、弟を連れて出席したワタシ。
ちなみにこの会への出席時、弟には我が家の最寄り駅まで公共交通機関を使って移動させている。
この移動で、ちょっとしたハプニングがあったのだが、それはまた別の話。

今回の当事者会では、支援者として、カメラマンとして、事務局側として、気力体力とも消耗し切ってしまったワタシは、酷暑疲れもプラスしてか、一旦帰った自宅で仮死状態と化す。
見かねたパパが弟を自宅まで送ってくれた。
その際に「長い休みはつまらん」と弟が言ったそうで、その言葉を気にしてのパパからの提案。
母もホームヘルパーさんの訪問や、通所リハビリなどで、人との関わりが増えたとは言え、外食らしい外食はしていないであろうし、認知症の進行具合も気になるとはパパ。

パパ自身、実母の認知症の進行がかなり早かったことを受けての心配である。
本当に急坂を転げ落ちるほどの速さで進んでいったから……。

まずは弟と母に電話して
「今日、夕ご飯、外で一緒に食べるから」
と約束する。
その後、お店に電話を入れて予約を取ろうにも、お盆休みの当日予約はほぼ取れずで、早い者勝ちで突撃!? と考えて
「16時半に迎えに行くから」
と時間を連絡。
しかし、あそこなら! とふと思い立ち、電話すると19時から個室での予約が取れたので
「18時過ぎに迎えに行くから」
と変更を連絡。
これが母、弟共に理解できなかった模様。
変更だけが頭に入ってしまったのであろう。

18時過ぎに母宅に着くと、勝手口が閉まっており、セニアカーもない。
ひょっとしたら弟宅へ行ったのか? と考え、弟宅へ向かう。
母もおらず、セニアカーも置いてない。
弟に着いたことを電話すると
「今日?」
と怪訝な返事。
弟をピックアップして、再び母宅に向かう。

いつものことだが、弟は当たり前のように助手席に座る。
この日は4席フル乗車なので「後ろに乗れ」と後部座席に移動させる。

(18時過ぎって伝えたよね? お墓か? お墓へ行っとるんか?)
とイライラしながら、母の携帯に何度も電話するも出ない。
パパを母宅に残して、ワタシと弟は車でお墓へ向かう。
途中、お墓からの帰りであろうご家族とすれ違ったり、坂を降りてくる車とギリすれ違ったりしながらの走り。
イラっとしていたし、時間がないので、危険な走りをしていたことであろう。

セニアカーに乗って、ゆるゆると移動してくる母を見つけて
「何しとるの!」
「18時過ぎに迎えに行くって言ったよね」
と怒りをぶつける。
そんなことしても何にもならないのに……。

やはり母も今日だとは思っていなかった模様。
どう伝えれば、正確に伝わるのであろうか?

高次脳機能障害も認知症も伝え方に工夫が必要である。
言葉のセレクト、伝達方法、考え直さねば。

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