見出し画像

主婦業というスキル・働き方を、起業を通して学び絶賛できるこれだけの理由

会社員時代(1980年代)は、正直言って主婦業についてあまり知らなかった。昔は寿退社で20代で辞めるのが一般的で結婚後も働かないのはなぜかという漠然とした疑問を持っていた。

家族状況は各家庭によってさまざま異なるが、一般的に男性が会社で働き、女性が家事、子育て、親の介護等の役割を担うことがその当時は多かったので、その前提で書きます。

「主婦業」という職業

 起業してから女性起業家や食関係の人たちと交流する機会が増え、イベント後の懇親会やシフォンケーキ教室主催時の雑談等で女性と話すことが多々あった。其処で交わされる会話は私の知らないことばかりだった。子育ての悩み、朝晩の食事準備、家事全般、介護の辛さ、町内や学校の役員の任務・・・。100均で生活用品を工夫し、子供の進学の心配をし、少しでも安いスーパーを探しての買い物、子供の問いに応え、合間を縫ってニュースを見、SNSで交流し、夕飯の準備をして・・・。睡眠時間を削ってひたすら働く。語彙のないのが情けないが、話を聞くだけでも大変さは伝わってくるし、実際に終日付き添ってみれば実感できるはずだ。
 私は元銀行員という職業柄、書類の整理は得意だが家具類の整頓・収納・断捨離が苦手で、主婦のテキパキさには本当に感心する。素晴らしいスキルだと思う。

 主婦という職業は直接の収入にならないため、労働対価を見積もることはほとんどないが、調理、家事、子育て、介護等々をそれぞれ時給換算して一日の労働時間を計算すれば、少なく見積もっても年収600万円になると思う。

反省しきり

会社勤めの時は、業務に追われ、顧客や上司に叱られ、夜遅くまで働き、自分だけが大変だと感じていた。その当時、職場の仲間で主婦が居たが、主婦の大変さを想像する事さえできず、諸々配慮が足りなかったと反省している。
 起業してから実際に主婦から聞いた主婦業と、会社勤めの時に勝手に思い込んでいた主婦業の内容には雲泥の差があった。世の男性諸氏はどれだけ実態を知っているのかと、今更ながら気になる。

ひとり親の厳しさ

 ひとり親は社会問題にもなっているが、生活のほかに仕事があるので更に大変で、通常夫婦で分担するさまざまなことを独りでこなすことになる。主婦業という収入の伴わない職業とは別に、もう一つの収入を伴う職業が必要になり、二人分の負担になる。如何に知恵を絞り効率良く生活や仕事を処理していくかが問われる。

主婦のスキルが起業に役立つ

 主婦は子育てや親の介護等々で自分のやりたいことがあっても中々できない。子育てが終わり、或いは介護から解放されると、まっしぐらに起業していく主婦を数多く見てきた。
 そんな主婦業のスキルが起業に役立つと言う記事に出会い、あまりに秀逸なので紹介する。
 シニア起業家・女性起業家の支援をしている松延健児氏がdream gateに寄稿している

https://www.dreamgate.gr.jp/contents/column/c-businessplan/61807

以下抜粋引用

 (中略)家事においても同様で、洗濯・掃除・買い物・料理などすべてをこなすには、曜日別・時間帯、スケジューリングをする段取り力(計画)、その計画を突然の来訪や天候等の不確定な要因も含めて柔軟に変更実践する即決力は、主婦の持つ貴重なスキルと言えるでしょう。
子育て経験も起業の武器の一つになります。子育ては日々問題山積で、食事、友達関係、学業、部活、塾、習い事、病気などなど次々に問題を解決してゆかねばなりません。常に即断即決力が求められます。「上司に相談してから検討させて頂きます」という思考回路では、間に合わないことも多く、問題の先延ばしは命に関わることさえあるからです。そして親としてブレない姿勢、子どもと正面から向き合い、眼を見て話すことで、愛情豊かで心配りのあるコミュニケーション力も身に付きます。これらは人間力として表情や品格に現われ、ビジネスの世界では力強い武器となることでしょう(中略)

まとめ

・主婦業は男性諸氏が思っているであろうほど生易しくない
・主婦業について自己肯定感の低い主婦も少なからずいる
・主婦業は会社員と同等以上の価値があると、少なくとも私は断言できる
・主婦業は長年の体験の積み重ねであり、読書や人から聞いてマスターできることではない
・主婦のスキルが起業に役立つ

 さまざまな方々と交流し、主婦業の大変さを垣間見し、上記の記事を読んで、職業の内容は違っても働くことの大変さや働くことによる気づきや学びはどんな職業にもあるということだとつくづく思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?