見出し画像

墓参りで 父の死を知る  過去日記 2015

某日

彼に純ちゃんは少しずつワガママになってきたと言われる
出来ない事が増えて自分で
出来ればいいのだけど彼を頼ってしまうから
結果的にそう思われても仕方ない

一番悲しいのは自分自身だ
こんなに早く老いぼれるとは

彼は不動産屋へ持っていく書類を整理して書いてくれた
夜は塩ラーメン

彼のとこへきた初めての夏の日記を読み返した
やっぱりあの頃の方が元気で
イキイキしている


身体は元に戻らなくとも
初心を忘れないようにしよう




引っ越したら
なんとなく彼と
新婚さんになれるような気がする


ほんとは
今の近くの教会とかもう行けなくなるかも知れないのに
そういう事は一言も言わず
純の為に環境を変えようと行動してくれた


ありがとう

中々、素直に感謝出来なくて
ごめんね 宝物だよ


某日


目覚ましのアラームをセットしたが初期設定してなかったからしく
鳴らなかった

でも今日は明るいうちに行動すると決めていた
彼とトーストを食べ彼は 先に中野区役所へ
住民票を取りに行き
そのまま新居へ向かう


そろそろ彼が手続きが
終わる頃かなとアパマンショップの方へ歩いていたら
目の前から歩いてきた


バスで地元へ着くと
もう5時半で真っ暗

お寺のお墓で柄杓にお水を入れてお墓を探す
暗くて中々見つからない
諦めかけていたら
彼が長谷川家の墓を
見つけた
よしあき、ハル、孝雄と名前を
読み上げる


パパの名前まで呼ばれて愕然とした
まさかパパまで死んでるとは


心の準備ができていなかった
おばあちゃんは89才まで生きた


パパは70才とあり
おばあちゃんが死んでから
たった四年で亡くなっていた
親不孝でこめんなさいと
線香をさして掌を合わせた



彼も線香をあげてくれた
日が暮れたお墓は心細く
怖くてたまらなかった
彼は怖がらせようとして隠れたりしていた


いい夫婦の日に契約が済み
お墓参りも行けてよかったけど
自分の親不孝さを思うと複雑だった


お墓参りのあと実家まで彼と歩いた
わずかな明かりが漏れて中に人がいる気配がした


彼に稲穂茶屋から
弟の知り合いのフリをして
電話してもらった


多分、出たのはお母さんだろう(継母)
話によると弟は浦和に住んでるらしかった
気づいたら二人とも服にイガイガが沢山くっついていた
お墓を歩いている間にくっついたみたいだった


お墓参り一緒に
行ってくれてありがとう
純はお墓の前で純はしあわせにしていますと報告した


今度は明るいうちにお花も買って
ちゃんとお墓参りしたい



** *

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?