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お店のキャッチコピーを考える


「あなたとコンビにファミリーマート」「カステラ一番 電話は二番」「サカイ、安い、仕事キッチリ」「あなたの風邪に狙いをつけてベンザブロック」「違いのわかる男のゴールドブレンド」「男は黙ってサッポロビール」「暮らし安心クラシアン」など、世の中には様々なキャッチコピーが溢れています。 

テレビCMなんかしてたらいくらお金があっても足りませんが、こうしたキャッチコピーを作る分にはタダです。 是非とも皆さんのお店にもキャッチコピーは作ってください。 

メチャクチャ重要なことだと思っていますので、あまり安易に考えず、何度も何度も推敲を重ね作り上げてください。

 最終的に出来上がったコピーは短い文(あまり長くないほうが良いです)かもしれませんが、そこに行き着くまでに「語順を変えてみる」「【てにをは】を変えてみる」「もっとフィットするワードがないだろうか」「ここは削ってしまおう」など、これ以上研ぎ澄ませられないほどに削いで、かつ磨き上がったものにしましょう。 

作る際のポイントとしましては、「お店の特徴、コンセプト」を確実に言い得ていることと、出来れば「ある程度リズムがある(我が国古来からある七五調など)」とさらに良いと思います。 

その前にそれ以前の問題として、「何屋さんなのか?」も示してあげたほうがよいです。 

「喫茶店なんだからコーヒーの店とかわざわざ書かなくてもいいんじゃん」と思われるかもしれませんが、それでも私はダメ押しで必要だと考えています。

 珈琲文明のキャッチコピーを例にしてみますね。 

珈琲文明のキャッチコピーは「初めて来ても なつかしい おいしいスペシャルティコーヒーの店」であります。 

キャッチコピー以前の「店名の付け方」にも言えることなのですが、まずは「何屋さんなのか」と「どんな業態コンセプトなのか」の両方が備わっていることが理想であります。 

珈琲文明は「コーヒー屋」であり、「レトロでクラシカルな明治文明開化にタイムスリップしたような雰囲気」というコンセプトなのでそれら両方「コーヒー」「文明(開化)」を合わせたものが店名になりました(※さらにワンポイントアドバイスを言うなら6文字以内くらいに収まればその後お店のハンコや玄関マットに印字する際に収まりやすいです)。 

同じようにキャッチコピーも「レトロ、懐古、郷愁」のイメージを「初めて来ても懐かしい」に込めてみました。 

余談ではありますが、もともと私が作った「わるくない」という曲の中で、「遠い記憶の欠片集めたように 初めて来たところが懐かしいだなんて」というくだりがありまして、実はそこから引っ張ってきました。 

あとはもちろん「コーヒー屋さん」であるということを示すために「スペシャルティコーヒーの店」としてありますが、その前に「おいしい」というちょっとベタな常套句が入っているのも考えに考え抜いて一周回って「おいしい」というワードを入れることに決めました。
入店される人の緊張感を一瞬解いてあげたり、来店を考えている人にとって親近感を覚えてもらえるような気がしてこのやや俗っぽく柔らかいワードを敢えて使ってみました。 

ここカフェラボに関しましてもキャッチコピーは存在しており、それは、「黒字で長く続くお店の作り方」であるとか、「繁盛店より名店を」などがあります。

 その他私の身近にいる友人の店舗や実際のカフェラボ会員さんが開業してつけたコピーを一部紹介します。 

★心が満たされる 大切なご縁を結ぶ 小さなしあわせおかし

 ★10歳からのお菓子作り *パーフェクトケーキonline 

★ケーキがあるとちょっとしあわせ

 ★街の灯台 

★上手く飛ばすより、完璧な着陸 *ドローンの窓口 

など、たまたまケーキ関連のお店をやっている人に知り合いが多いということかもしれませんが、あらためて考えてみると実はキャッチコピーの無いお店のほうが圧倒的に多いことに今気が付きました。

 キャッチコピーが無いお店は本当にもったいないです。 せめて店名に「何屋か」と「コンセプト」が含まれているのであればよいのですが、それもない何語かわかんない読めない謎の店名(笑)のお店も多いじゃないですか。

 例えば上記の「心が満たされる 大切なご縁を結ぶ 小さなしあわせおかし」のお店は「atelier結心(アトリエゆっこ)」と言いますが、この店名だけではケーキ屋さんかどうかはわからないですよね?

 でもそこにこのようなコピーがあることで何屋さんかもそうですが「ご縁を【結ぶ】」というところと「結心」が繋がってたりしていろいろとしっくりきます。 

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