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自家製モノでやるべきものとやってはいけないもの

前回「自家製にすべきか否か」で自家製のお勧めパターンをいくつか挙げましたがそれをまずおさらいします。

レシピがしっかりあって、計量や時間等でキッチリ成立するもの、つまり毎回安定したクオリティのものが出来てそれを提供できるもの。

原材料が安定供給されるもの。

希少性はなくとも原材料費がそこまでバカ高くないこと。


それからもう1つもしかしたらこれが最も重要かもしれないことを加えますと、それは・・・

「その原材料が他のメニューの何かに使いまわせるモノ」です。

「使いまわし」ってワードがなんだか感じ悪いかもしれませんが、これは本当に重要です。


例えば、現在の珈琲文明で唯一残ったと言っても良い自家製メニューが「コーヒーゼリー」であります。

「コーヒーゼリー」の原材料は言うまでも無く「コーヒー」であります。

このコーヒーを新たにどこからか仕入れるわけではなく当店はコーヒー屋であります。

常にコーヒー豆はあるのです。

超フレッシュなコーヒー豆に加えなんとスペシャルティコーヒー豆なのです。


スペシャルティコーヒー100%で作ったコーヒーゼリーというのは市販品に限れば世の中の99.999%は存在しません。

市販品でも極まれに(例えば丸山珈琲が出しているコーヒーゼリー等)存在はしますが、これはやはり真空にせよ何等かの保存工夫をしているにせよやはり所詮市販品なので、流通に乗る以上風味は損なわれます。

そこで当店ではスペシャルティコーヒーをたっぷり使用したゼリーを季節限定(と言っても4月~10月なので半年も)で出していますがこの際に出る廃棄ロスはゼロであります。

当初は通年で出していたのですが、さすがに冬季はあまり出ないので風味が劣化する理由で廃棄処分もいくつかしていました。


そう、この「原材料使いまわし」が出来るというのは新たな仕入れルート開発が不要であるということの他に「廃棄ロスをゼロに出来る」というのが本当に魅力的なんです。

お店を実際にやると痛感しますが「廃棄ロス」って本当に心が痛むものです。

さらに「もったいないから使う」という悪魔の囁きとの葛藤もあります(「消費期限」はさすがに守らなければいけませんが「賞味期限」は悪魔が囁くものです)。

そこでどうしようが「廃棄ロスがゼロ」に必ずなるような原材料というのは本当に魅力的なのです。


珈琲文明ではゼリーの他に去年の4月までは「ココア」を出していました。

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