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小さ過ぎるハコではやらない │ カフェ開業メソッドvol.08

vol.07で「次回は【あまり大きなハコではやらない】をおおくりします」と言っておいて、このタイトルは真逆、間違い?!いえ、今回かなり重要なのでぜひ最後までお読みください。

一人でやるお店に対して「あまり大きなハコではやらない」なんていうのは、もはや当たり前で何の新鮮味もなく、ここでわざわざ述べなくとも前準備に余念のないあなたであれば今後必ず耳にすることでしょう。「店舗内装費、家賃、光熱費、その他様々なコスト、そしてワンオペでのサービスの限界、等々」ハコが大きいほどどんどん負担が増します。ここ何回かに渡っておおくりしている言わば「弱者(資本的に)の戦略」のキーワードもとにかく「小さくはじめる」です。

コンサル本その他様々な書籍を見ても、判で押したように合言葉は「スモールビジネス」。

もちろん否定はせず、しかも重要なことなので絶対押さえてほしい点ではあるのですが、あまりこの点にばかり意識していると非常に危険な落とし穴が待っているので、今回はそっちを強調してみようと思います。それが今回のタイトルの所以です。

まず、そもそもどれ位の規模が大きくてどれ位が小さいのか、これが曖昧なのでハッキリさせましょう。ワンオペでの個人店の場合(バイトや配偶者等一切含まず、また基本的にテイクアウトはなく店内での飲食が完全メインのお店としましょう)、ズバリ、20坪以上ある店舗は「大き過ぎるお店」です。

そして、8坪以下のお店が「小さ過ぎるお店」です。

かなりレンジが狭い!?いえいえ、もっと言うと、本当に適正空間規模は、10坪~15坪と私は捉えています。この範囲内の規模でぜひ物件を探してください。この基準から外れるまず大きいほう、15坪以上の物件については、もしも立地的に郊外等で家賃が安いのであればもっと広くてもOKです。ただしせいぜい20坪程度にはやはり抑え、席数もなるべく30前後にしてみましょう。そうすることによってかなり贅沢で落ち着くスペースが確保出来るため、それはそれでウリになります。

さて、ここからが重要になります。

問題なのは、小さいほうの話、つまり8坪以下のハコの場合です。

空前の居酒屋チェーンにまで発展した「つぼ八」は、出発点が「8坪のお店から始めた」からというその名の由来がありますが、言ってみればこの「8坪の店舗」というのはそれで利益を出すギリギリのスケールともいえ、だからこそ「つぼ八」のこの創業エピソードが痛快なわけです。ではなぜ「8坪」が利益のギリギリラインなのか?

念のためもう一度強調しておきますが、あくまでも「ワンオペ、ドリンク中心のお店」が前提の話であり、

もしスタッフがいたりフードが充実していたりテイクアウトをやるお店であれば、8坪以下でも十分に勝算はあり、実例も身近にたくさん知っています。

「粉骨砕身頑張れば」「おもてなしの心で」「無休営業」等、感情精神論は置いておいて、これからあくまでも統計確率的数字に基づいた生々しい話をします。

「ワンオペ&ドリンク中心のお店」は、その性質からしてある程度の集客が見込めなければやっていけない(やってはいけないともいう)業態なのです。唐突ですが、あなたは毎月11万2000円の給料で生活出来るでしょうか?

さらに妻子がいる場合それで家族を養う覚悟がおありでしょうか?このへんをギリギリと言わない人であれば大丈夫です、「THE TSUBOHACHI CAFÉ」いざオープンどうぞ。

しかし、やはり大半の人はそれは厳しいと思うはずです。

脅かすつもりは毛頭なく、現実問題ですので、しっかり受け止めてほしいのです。根拠となる数式を記します。

16×700×25×0.4=112,000

です。超ド文系で数学はおろか算数もままならないこの私が珍しく数字出しますが、これはいったい何の数字、そして係数でしょうか?

※ちなみに8坪の店舗という前提での数式です。

本当に本当に重要な話なので、ここまで読んだ頭の疲れをいったんクリヤにする意味も込めて、その核心に迫るのは次回「カフェ経営で「月に112,000円で生活するための指南書ではありません」」としましょう。震えて待て(笑)!

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