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かけがえのない開業前の常軌を逸した日々

先週は「店舗経営は長距離走。無理をしないこと」と述べましたが、無理をせざるを得ない状況だってもちろんあります。
特に開業を目前に控えたあたりでおそらくは多くの人たちがそれを体感するはずです。
単純に「忙しさ」ももちろんなのですが、平常の生活をしていたならば経験しないようなシュールで常軌を逸した行動を強いられることもあります。

私は自分のお店の店名を商標登録する際にどうすればいいのか「特許庁」に電話したところ(この時点でもう自分では非日常)、横浜では「発明協会」というところに行ってください、と言われ、実際に「発明協会」に行った時の「オレ何してんだろ」という感覚。
「東京舞台照明」という会社に直接行き、カラーフィルターを何十種類と見比べてたその時に感じた飲食とのあまりの関係のなさ(笑)。

あの時のエネルギー、フットワークはあの時でなければ出来ないような気もしますし、ある意味かけがえのない体験ともいえます。
というよりそう思って楽しむようにしないとやってられません(笑)。

自身の店で発行している毎月のニュースレターのようなものを書き終えました。
テーマが丸かぶりしてますので、そちらもここに貼り付けておきます。

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「あの日の熱量」

飛行機は離陸の時に最も多くのエネルギーを使うように、
スピードスケートの選手はスタート時に氷上を走るように速く細かく足を動かすように、
軌道に乗る前の物事の最初というものは多くの熱量を伴います。

平常の状態ではそういう行動に出ない、つまりは常軌を逸した行動で、
時にそれは他人には滑稽に見えたりしても本人は真剣そのものでなりふり構っていられない、そういう時があるものです。

珈琲文明の離陸(開業)前、ケーキ作り全般にド素人だった私は、専門学校でケーキの実習をしたり、ネットで情報を集めたり、チョコとチーズの二つだけではありますが、ベストなレシピ決定のため寝ても覚めてもケーキを焼いていた時期があります。

はい、文字通り「寝ても覚めても」にするため、台所ではなく、自分の部屋のど真ん中にワゴンテーブルを持ってきてそこにオーブンを置き、焼けていく様や漂う香りまで五感フル活用で観察していましたが、「部屋のど真ん中にオーブンがある」のは絵的にはかなりシュールだったと思います。

さて、もうひとつ、これは身内事で恐縮なのですが、私の妻の話をします。

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