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「大儲けはしない(できない)が、黒字で長く続けるお店作り」のために

(この記事は2020年12月に書かれたものです。)

ここのところ「入店禁止の実例」や「口コミサイトでの酷評事例」「クレーム事例」(以上全て私のお店で起こった実例)など、なにやら穏やかじゃないシリーズが続いてしまいましたが、カフェラボ会員の皆様にはとにかくカフェ経営の中に起こりうる光と影、ポジティブとネガティブの両輪をしっかり受け止めておいてほしいという思いから敢えて最近はネガティブシリーズを続けてみました。

さて、今回述べる事柄は本当に大切な話で、ぜひとも会員の皆様には必ず読んでいただきたい内容のものを今年最後の指南書といたします。

「しょぼい喫茶店の本」という本があります。

夏に兄から八王子の書店で拙著「人生に行き詰った僕は、喫茶店で答えを見つけた」がちゃんと(?)売ってたという報告のメールが送られてきた時の添付写真の拙著の隣に寄り添うように写ってたのが「しょぼい喫茶店の本」という本で、以来私はこの本が気になってしょうがなくなりました。

他の書店でもやはりこの「しょぼい喫茶店の本」と「人生に行き詰った僕は~」が並列で置いてあったりして導かれるように読んでみました。
それこそこっちの本もある意味「人生に行き詰った僕は~」をサブタイトルにしてもいいんじゃなかろうかというくらいの内容でした。

それと同時にカフェラボ赤澤メソッド的に見てしまうと非常に危うい成り立ちをしていたので心配にもなりつつ、しかし間違いなく私はこの「しょぼい喫茶店」の実店舗を心の中で応援していました。

先月この「しょぼい喫茶店」が閉店しました。
店主の「えもいてんちょう」さんの閉店報告がこちらになります
しょぼい喫茶店|えもいてんちょう|note
先日、しょぼい喫茶店を閉店した。2年間本当にありがとうございました。全てのお客様に最大限の感謝を申し上げます。 お知らせのツイートはつい先日になってしまったのだけど、閉店すること自体は年末年始あたりから決めていた。なかなかツイートすることができずに、グダグダと先延ば...
note.com

これを読んで私は本当に身につまされる思いと全く他人事ではない思いに駆られました。

運よく私のお店は現在13年半続いていますが、創業当初の得体のしれない恐怖感、廃業の肌触り、は今すぐにでも思い出せます。
創業当初は全然お客さんも入らず、暇なのにも関わらず何故か毎日いっぱいいっぱいで、私が心身共に疲弊していることを見て取った妻がある日、私の目覚ましを切り、寝坊して慌てて店に行こうとした私を止め「今日はお願いだから休んでほしい」と言ったことがあります。
そしてそれは妻が朝一人で既に店に行き、シャッターに「誠に勝手ながら本日都合によりお休みします申し訳ございません」という貼り紙をして帰って来たうえでのことでした。
事の正否はともかく、妻に感謝し、私はその日お店を休むことにしました。
えもいてんちょうさんのこの文書に出てくる【「明日は休みたい」と妻に伝えると、「やっとそう言ってくれて嬉しい」】というくだりで私はあの日の臨時休業のことを思い出しました。

今回ここで述べることは間違っても「しょぼい喫茶店」を否定したり非難したりするものではないということを大前提として話を進めます。

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