オープン直後に実際にやるべきことを具体的に挙げます

（この記事は2021年3月に掲載されたものを再投稿しています。）

前回は「オープニングキャンペーンは絶対やるな」という話をしました。
私が皆さんに「これは絶対に絶対にして（しなくて）よかったこと」を敢えて3つだけ言うとするならば、1）値引きをしなくてよかった2）サイレントプレオープンしてよかった3）食洗機を導入してよかった、以上の3つ（もちろんもっとあるので今後折に触れ述べていきます）になります。

その中で今回は2）の「サイレントプレオープン」さらには「グランドオープン」そしてその後の流れを具体的に述べていきます。
「サイレントプレオープンの意義と重要性」等に関しては過去の指南書をさかのぼっていただいてほしいのですが、以下に簡単にまとめておきます。
★開店日を知人友人親戚にこそ内緒にしておく・・・知人友人が大事じゃないわけはなく、むしろ尊い友人らには「スキルやオペレーション等完全に出来上がったプロフェッショナルな状態」で迎えたいということと同時に、開店日を知らせると必ず尊い友人らは駆けつけてくれるけれど、そこでこちらの集中力も削がれ、完全一般新規のお客さんに全身全霊で対応することが難しくなる。
★創業時の「かけがえのない絆レベルのお客さん」を作り出す・・・「まだプレオープンでよちよち歩きの初々しい状態から自分はこのお店を知っている」と思ってもらえる人を意図的に作り出す（そしてこれは前に記したように友人知人ではむしろ逆効果）。
「珈琲文明第1号のお客さん」はご本人もその意識を強く持ってくださり、遠くに住んでいても既にポイントカードは10冊近くに達しています。
サイレントプレオープン期間中に来店した大学生カップルは時を経て結婚することになり、私はその結婚式で弾き語りをしたり、今でもこれからも大切な夫婦です。
そう、これはもう絆レベルなんです。
そしてそういう人たちとの出会いと関係性を深めることを意図的意識的に出来るということがサイレントプレオープンの醍醐味なのです。
さて、それではサイレントプレオープンが無事終わり、グランドオープンまでの流れをもっと具体的に何をしたのかをこれからお話します。
まずこちらの写真をご覧ください。

これは「アンケートへのご協力のお願い」です。
記入してくれた人には小冊子（「世界一わかりやすい珈琲の本」）をプレゼントしたということもありかなりの回収率でありました。
このアンケートの質問内容は実は（乱暴に言ってしまうと）どうでもいいのです(笑)。
回答内容も同じくどうでもいいのです（スミマセン）。
重要なのは「住所&メールアドレスを入手すること」ただ1点のみであります。
これを書いてもらえることに意味があり、そこで得た住所に文明通信を毎月郵送で送ることにしたのです。14年前だってもちろん手紙よりメールの時代です(笑)。
そこで敢えて封書で郵送で毎月送っていました。だからそれを皆さんも真似してというつもりはありません。住所を訊いたりすることに抵抗もあるかもしれません。でもメアドやインスタやTwitterのIDくらいなら教えてもらえるかもしれません。

とにかくどうにかして「お客さんと繋がる」ことを考えるのです。メルマガなんかは今でも読む人は読むと聞いています。手段はいろいろあると思いますがとにかく何かをこちらが発信して、それを伝達するのです。
この際に重要なのは「いかにも一斉送信」という内容にしないことです。
共通事項はあってももちろんいいのですが、一言でもいいからその人たった一人のために固有文を書くということです。

「●●さん、その後腰はよくなりましたか？」などなんでもいいのですが、確実にその人一人のためだけに書いたというのが伝わる一節を入れるのです。なんだか面倒くさいですよね？これを結構な人数相手に書くなんて結構な労力ですよね？
でもだからこその「サイレントプレオープン」なのです。
あまり知られてないんだからお店はある程度暇なはずです。その暇な時間や空いている時間を使い、さらには空いていない時間も使ってガムシャラにやる時なのです。それだけ創業時の「種火」というのは大切に大切に消さずに守る努力がお店側には必要なのです。
次に「グランドオープンのお知らせ」です。