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価格設定について(後編)~絶対にやっちゃいけないこと~

(この記事は 2021年9月に書かれたものを再投稿しています。)

さて、今回は価格設定についてのラストで、表題サブタイトルの「絶対にやっちゃいけないこと」を早速結論から述べていきます。 

それは「原価を基にそれを綺麗に反映させていくだけの値段のつけ方はしてはいけない」です。 

これ、放っておくと本当に誰しもやりがちなことなんです。 

例えば「原価が30円のものを定価90円で売る」「原価40円のものを定価120円で売る」「原価50円のものを定価150円で売る」これら全て原価率を30%ということで比率は同じで、つまり仕入れが高ければ売値もその分高くなる、というこの値付けです。

 まぁ普通に考えたらそうなるのが自然なのかもしれないのですが、飲食店においてはその考えはいったん捨ててください。 

これは個人店のカフェのみならず大手チェーン店にしても、いや大手チェーン店こそこの考えで売っていません。
例えば某大手ハンバーガーショップでハンバーガーの原価は高いが、ポテトやドリンクの原価はとんでもなく安いのはなんとなくわかりますよね。
極端なこといえばお客さんが全員ハンバーガーの単品だけを購入する店になってしまったならばあの一大巨大企業の経営が破綻してしまうんです。 

さて、それでは個人店での値付けの仕方について述べていきます。 

まず、あなたのお店の4番バッター、圧倒的主力商品の値段を決めます。ここ赤澤メソッドでは「ドリンク中心、ランチを出さない」のが本流ですので、まずメインドリンク、仮にここでコーヒーとしておきます。 

コーヒーの価格はそんなわけで600円、あるいはどんな田舎や地方でも500円としておきましょう。原則としてその他のドリンクはこの値段を基に前後させます。というより大半はこの値段と同価格にしておきます。 そして、これは「松竹梅商法」なんて呼ばれていますが最も売りたいものをまず据えて、それの上と下を用意することによって中が売れていく、というような手法も取り入れます(※ただしここではほとんどを「中」が占めるような構成としていきます)。

 ではどういうものを「上」つまりとりわけ高い商品にするのかといいますと、ある意味ではもちろん仕入れ値が高いものということもあるでしょう。 でもここでもうひとつ重要な要素を加えておきますとそれは、「オペレーションに時間を要するもの」ということがいえます。 実際に私のお店の例で考えてみましょう(※10/1からの値上げ後の価格で述べます)。

 「前編」で述べた価格表を今一度ここに載せます。

 1.文明ブレンド、白楽ブレンド(\640)
 2.時節のブレンド(原則2種)(\640) 
 3.シングルオリジン(原則1種)(\720)
 4.アイスコーヒー(\640) 
 5.カフェオレ、アイスカフェオレ(\760) 
 6.グランクリュ特級農園コーヒー(\890) 
 7.ホット紅茶、アイス紅茶(\720) 
 8.みかんジュース、りんごジュース(\600)
 9.ビール(\760) 

10.チョコレートケーキ、チーズケーキ(\560)
※ドリンクとセットで100円引きになります  
11.レアチーズケーキ、りんごのタルト(\550)
※ドリンクとセットで100円引きになります 
12.自家製珈琲ゼリー(単品\640、ドリンクとセット\390※250円引きでお得です) 
13.カレーパン(\550)
※ドリンクとセットで100円引きになります 
14.地獄のカレーパン(\600)
※ドリンクとセットで100円引きになります 
15.よもぎ草もち,かりんとう(\280)
※平日のみ販売※単品でのご注文はできません

このようなラインナップでありまして、4番バッター商品は「文明ブレンド640円」であります。 それよりも高い商品ではまず6.のグランクリュ特級農園コーヒーというのがあります。 これに関してはまさに仕入れ原価も高いだけの価格スライドメニューなのでこれはちょっと置いておきましょう。 

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