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人生の転機予報は当たらない【私がカフェを始めた日】

ジャズが静かに流れる自分の店で
この数年を振り返り
初めてnoteを書いている。

「いつかできたらいいな」
そんな夢を誰もが心に秘めているのでは?

広島で自家焙煎カフェをやっている
名前は泉 悠壮。
「自己紹介」を書くつもりだっが…
今の自分が生まれた日
「カフェを始めたきっかけ」を話そう。

何度か転職したが
ずっと営業職としてサラリーマン。
40代半ばで再婚した理由のひとつは
12歳年下の妻(その当時の彼女)を
自由にさせてやりたかった。
そんなディープな話ではない。

彼女は3〜6ヶ月間という短期派遣の
仕事ばかりしていた。
好きなタイミングでインドに行って
1ヶ月ほど滞在するヨガの勉強が
いつでもできるように…
気兼ねなく仕事の区切りをつけたい。

なるほど
好きなことをするために
自分スタイルで働くのか。

私は彼女を応援したくなり
同時にこれからも一緒にいたいと想いはじめ
将来のことをそこまで現実的に
考えていなさそうな彼女へ
ある提案をした。

「結婚してほしい」

気持ちを伝えた後に照れもあり
もっともらしい理由をつけた。
「世間的にも妻という立場の方が
違和感なくこれからもずっと
今の自分スタイルを
維持できるんじゃないかな?」

結婚はもちろん世間体なんて
彼女は気にもしていなかっただろう。
勝手に他人から将来のことを心配されたり
親しくもないその相手に
自分スタイルを説明したりする…
そんな煩わしさを解決できる提案を
「なるほどね」と聞いてくれた。

結婚してから私は趣味である
料理を担当した。
ある時、こんなブームがやってきた。

「ゼロから手作り」は、どこまでできるのか?

うどんやパスタ麺を手打ち
デミグラスソース
コーヒーの焙煎
スパイスを調合して作るインドカレー
…etc

喜んでくれる妻のためだったが
それだけで終わらなくなってしまう。
多くの手作りチャレンジをする中で
コーヒー焙煎があまりに衝撃的だったから。

コーヒーについては
次の機会に話すとしよう。

友人を自宅に招いて食事をする時も
メニューのテーマをリクエストしてもらい
まるでコースメニューのように献立を考える。
妻はBGMを準備して
「お品書き」まで作ってくれた。
ママゴトのような自宅レストランは
それから何度もオープンした。

いつか好きなことを自分の店にしたい
いや…

「自分の好きな生き方をしたい」

自然にそう想うようになった。
時が来たら、その選択ができる自分になろう。
それからは完全に趣味の範囲を越えていた。
気持ちが決まったことで
全ては目標に向かっての
「準備」になった。

しかし日常はのんびりとしていた。
一言で「開業」といっても
資金や自分の経験やスキル
実現のために解決すべき問題は山積み。

60歳くらいまでに、できたらいいかな?

そう思っていた46歳の私に
転機は突然訪れた。
外資系の会社で私が所属する部門が
急に縮小されると発表された。
…どうする?
・住み慣れた広島を離れ転勤する?
・転職して再スタート?
いろんな検討を始めた選択肢に
あまり深く考えず「開業」を入れてみた。

資金や物件探し
いろんな条件に合否ラインを設定し
ひとつでも無理なことがあれば
今回は見送ろう
そう思っていた。
しかし、なんともあっけなく
全ての条件をクリアしてしまった。
見えない力に
背中を押されたようにも思えた。

いや…そうか!
ずっと前から「準備」を始めてたんだ。

2020年6月
CAFÉIZM
オープン


自分で自分の背中を押していた
パンデミックがどんなものかも知らずに。

#はじめてのnote
#自己紹介


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