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彼女の万華鏡のような人生「掃除婦のための手引き書」

文学ラジオ第42回の紹介本
「掃除婦のための手引き書」
ルシア・ベルリン 著
岸本佐知子 訳
講談社

短編集のベースにあるのは波瀾万丈の作家ルシア・ベルリンの実人生。結婚と離婚を繰り返し、4人の息子を育てるシングルマザーになり、チリとメキシコとアメリカを渡り、様々な職を経験し、アルコール依存症になり、小説を書いては遅咲きでデビューします。

多種多様な語り手たちが、作家の万華鏡のような人生を追体験させてくれます。見たこと感じたことをそのまま書くというスタイルも魅力の一つで、描写から強烈にリアリティを感じれます。

ミエが印象に残った作品は「さあ土曜日だ」。囚人たちが創作に打ち込む輝かしさとラストの悲しさが最高でした。ダイチが挙げた「どうにもならない」はアル中の母親のエピソードで、ほのかな温かさとどうしようもなさが印象的でした。

本書のあらすじ
毎日バスに揺られて他人の家に通いながら、ひたすら死ぬことを思う掃除婦(「掃除婦のための手引き書」)。夜明けにふるえる足で酒を買いに行くアルコール依存症のシングルマザー(「どうにもならない」)。刑務所で囚人たちに創作を教える女性教師(「さあ土曜日だ」)。自身の人生に根ざして紡ぎ出された奇跡の文学。死後十年を経て「再発見」された作家のはじめての邦訳作品集。

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ミエ | 羊をめぐるカフェ
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