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今でも新鮮に読める村上春樹初期長編「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 上」

文学ラジオ第47回の紹介本
「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 上」
村上春樹 著
新潮文庫

作年配信の「一人称単数」以来、二度目の村上春樹作品。ダイチもミエも学生時代に読んで以来、十数年ぶりに読み返しました。35歳の主人公にやたら感情移入しながら読めて、社会経験を積んでから読むと響いてくるものが変わってくると思いました。読んだことあるけど忘れた人や読もうと思っていた人、それに村上春樹作品を読んだことがないけど興味がある人にもおすすめな回です。おもしろさと深みを備えた名作長編です。

作中では一角獣の頭骨の謎を追う二つの物語が交互に語られます。「ハードボイルド・ワンダーランド」はチャンドラーのようで、「世界の終り」はブローティガンのような。二つの物語にそれぞれ備わる勇敢さと繊細さが心地良かったです。 1985年出版の初期長編は未だ古びることなく新鮮に読めました。今週は上巻、来週に下巻をお届けします。

本書のあらすじ
高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉の物語、〔世界の終り〕。老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた〈私〉が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する〔ハードボイルド・ワンダーランド〕。静寂な幻想世界と波瀾万丈の冒険活劇の二つの物語が同時進行して織りなす、村上春樹の不思議の国。

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