ふたつの物語の終着点「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 下」
文学ラジオ第48回の紹介本
「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 下」
村上春樹 著
新潮文庫
先週の上巻に続き今週は下巻を配信。「ハードボイルド・ワンダーランド」の私は残された時間を精一杯生きて、「世界の終り」の僕は影とともに閉ざされた世界から出ようとする。一角獣の頭骨の謎を巡るふたつの物語の終着点にあったものは？
ふたつの物語の私と僕がした最後の決断は心に残りました。何度読んでも、その度に心を揺さぶられそうです。ミエが好きな描写は、最後の朝に私が公園にある灰皿の中でクレジットカードを焼いて鳩にポップコーンをばらまくシーン。頭の中で映画が流れている感覚でした。再読したら、名作でした。ぜひお聴きを！
本書のあらすじ
〈私〉の意識の核に思考回路を組み込んだ老博士と再会した〈私〉は、回路の秘密を聞いて愕然とする。私の知らない内に世界は始まり、知らない内に終わろうとしているのだ。残された時間はわずか。〈私〉の行く先は永遠の生か、それとも死か？ そして又、〔世界の終り〕の街から〈僕〉は脱出できるのか？ 同時進行する二つの物語を結ぶ、意外な結末。村上春樹のメッセージが、君に届くか!?
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