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2019.5.22 トッド・ラングレン Live@すみだトリフォニーホール

THE INDIVIDUALIST JAPAN TOUR

2019年5月22日(水)@すみだトリフォニーホール


昨年12月に、トッド・ラングレン来日公演決定の知らせを受けました。
その宣伝画像には、代表的なアルバム数枚のジャケット写真と共に「音楽経歴50年にわたる彼の集大成となる日本公演」という説明。
おっ、それは観たい!と思ったのですが、よく見ると、ツアー・タイトルがTHE INDIVIDUALIST TOURとなっているのが気になって。
トッドには『THE INDIVIDUALIST』というアルバムがあるのですが、それは聴いた事なくて、しかもSpotifyでも扱ってないやつでして。
もしかしたら、その『THE INDIVIDUALIST』収録曲中心のライヴになるのではないかという疑念が生まれました。
だとしたら、キツイな...。
トッドのライヴは、以前行った事あるのですが、NEWアルバムをフィーチャーした内容で、あまり馴染みのない曲ばかりで、期待してたベアズヴィル時代の曲をほとんどやらなくて辛かったという、苦い思い出があるのです。
トッドは結構来日してるらしいのですが、いつもNEWアルバムの曲を中心にやったり、EDM全開でお客さんをポカ~ンとさせたり、といった噂を耳にしていたものですから、今回のライヴも、そんな感じになるのではないかと、「50年にわたる彼の集大成」などという言葉に騙されてはいけないぞという気分になってきました。
しかも、東京・大阪各1日のみの公演。
東京公演は、僕が仕事を休みにくい水曜日というのもネックになりました。
うーん、ちょっと様子を見ようか...という事になりました。

そうこうしてる間にチケットは発売され、東京公演は瞬く間にソールド・アウトに。
あ~あ、と思ったのですが、これだけ早く売り切れたのなら、きっと追加公演があるだろうと、確信しました。
追加公演が、僕が仕事を休みやすい日に当たったら、チケット獲ればいいじゃないか、と、割と余裕でいました。

でも、何ヶ月たっても、追加公演の報はやって来ないんです。
だんだん焦ってきました。

そして4月。
アメリカで、THE INDIVIDUALIST TOURが始まったので、早速セットリストをチェックしてみると。
なんだ、これは!
大好きなベアズヴィル時代の曲のオンパレードじゃないですか。
これは、これは、観たい!

一気にスイッチが入りました。
大好きな曲をたくさんやってくれている。このセットリストなら、何がなんでも観たい!と。
だけど、東京公演はとっくにソールド・アウト。
来日まであと1ヶ月半となってるのに、追加公演の気配なし。
どうしよう、どうしよう。
ああ、「音楽経歴50年にわたる彼の集大成となる日本公演」という宣伝文句を素直に信じれば良かった!
でも、後の祭りで...。
それからは、毎日ヒマさえあれば、チケットぴあの定価リセールが出て来ないかチェックしましたし、以前利用したチケットストリートで出品情報をチェックしたり。
でも、希望のチケットは出品されません。
チケットストリートでは、リクエストも出してみました。定価よりも高い12000円で買いますよ、と...。

だけど、希望のチケットは出て来ないで焦るばかり。
そこで、奥の手というか、この手しかないかという感じでアイデアが。
大阪行きです。
大阪公演のチケットなら、まだ普通にチケットぴあで買えるのです。
大阪行っちゃおうか...。
だけど、日帰りは当然無理なので、ホテル代もかかりますし、新幹線代もかなりの額に。
はっきり言って、そうなると、かなり痛い出費です。
でもでも、今回のライヴを見逃すという事だけはなんとしても避けたい。観ないと絶対後悔する!そういう強い気持ちだけはありました。

なんとか東京公演のチケットが手に入る幸運が訪れるまで粘るか、サッサと切り替えて大阪公演にするか。
いつまでも先延ばしには出来ません。
5月の仕事の休みの希望を申請する締め切りがあるからです。
東京か大阪か、どちらかに決めて、休みの申請をしなければならないのです。
結局、4月半ばの締め切りまでに、東京公演のチケットが手に入らなかったら大阪行きを決めよう、という事にしました。

そして、仕事の休みの申請の締め切り日が来ましたが、東京公演のチケットは手に入らず。
これはもう!という事で、決めていた通り、大阪行きを決意、その日の夜に、大阪公演のチケットを確保し、ホテルも予約を入れました。新幹線の切符は、まだ1ヶ月以上前なので買えないので、もう少したってから、でしたが。
大阪公演のチケットは、まだ余裕で余ってる状態だったので、焦って買わなくても良かったのかもしれませんが、どうせ行くなら、少しでも良い席を確保したいと、何度もトライしました。
どうせ2階席の後ろの方だろうと思ってたのですが、まだ1階席が余ってたのはビックリ。しかも、2階席は1列目が空いてました。
この時点で2階席の1列目が取れちゃうって事は、その後ろはガラガラなわけ??そんなに売れてないの??
東京の会場よりも、大阪会場の方がキャパ狭いのに、それでも余裕でチケット余ってるなんて、東京と大阪のあまりの違いに信じられない思いでしたが、2階席の1列目は、高所恐怖症の僕には拷問となりうる場所なので、ここはやはり1階席で、と。
何度もトライして、どんな席か検索して、後ろから2列目ではあるものの、1番端の壁際(たぶん通路はないと思われる)の席を確保しました。
ホテルは、会場から近くて安い所がすぐ見つかりました。1ヶ月以上前の早割予約で、6000円ほどで泊まれるんですから、思ったよりも安く済みます。
とにかく、これで大阪行きが決定したわけです。
新幹線代やホテル代の大きな出費はかなり痛いけれど、旅行は貴重な経験になるので、良い方向で考えようと、大阪へ行ったら、どんな行動を取ろうか、計画を立て始めました。
会場となるNHK大阪ホールは大阪城のすぐ近くなので、大阪城に行ってみたかった僕としては都合良かったし、大阪にdisk unionやBOOK OFFとかはどこにあるのかなあ、とか調べたり。
楽しみな気持ちになるのも確かでした。

でも。
未練がましい僕の場合、それで決まりとはならなかったのです。
大阪行きを決めたとは言え、それまで毎日の日課だった、東京公演のチケットの出品情報チェック。それが惰性というか、まだ諦めきれないというかの思いで続けていたのです。
そしたら、大阪行きを決めた僅か2日後ですよ。
チケットぴあの定価リセールに、東京公演のチケットが出品されていたのです!
見つけた瞬間、目をむいて息を飲んで。
東京公演のチケットが手に入るなら。
東京でライヴが観れるなら、それに越した事ないではないか、と。
ホテルはキャンセルできるのを知っている。
まだ新幹線のチケットを買ってなかったのは幸運。
大阪公演のチケットは、定価リセールで出せばいいか。もし売れなかったら...。
大阪公演のチケットが無駄になったとして、東京公演のチケットを倍の値段で買ったと考えて納得できるかと言われたら...納得できたんですよね。
それでもいい、と。
それに、こういうチケットとの出会いは運命。
あと少し早い時間にチェックしてたら、まだ出品されてなかったかもしれない。
もう少し遅い時間にチェックしてたら、他の人に買われてたかもしれない。
でも、このタイミングで僕と出会ったのは何かの縁。
買うしかない!
ほぼ迷わず、即決でした。
定価リセールにて、東京公演のチケットを手に入れたのでした。

翌日、急いで仕事の休みの申請の変更を申し出ると、まだ勤務表は出来上がってなかったのでセーフでした。
ホテルも、キャンセル料無しで取り消せました。
あとはライヴのチケット...と思って、ぴあの定価リセールに出そうとしたら、出来ない!
どうやら、公演によっては、リセールに出せない場合もあるとの事で、今回のトッドの場合は、チケットそのものの売れ行きが悪いから、リセールなんて許してたら、マズイ事になるんでしょう、きっと。
まあ、たとえリセールに出してたとしても、普通にチケット余ってる状態なんですから、良い席でもなり限り、買い手が付くともあまり思えないしね。

でも、やっぱりチケット無駄にするのはもったいない。
なんとか手はないかと考えて。
チケットストリートで売りに出す事を考えました。
チケストでは、チケットを買った事はありますが、売った事はありません。どうすべきか悩んだし、個人情報の問題とか、かなり不安な事もあったのですが、思い切って出品してみようか!と。
高く売るつもりはサラサラありません。そもそも良い席ではありませんし、買ってしまった僕が悪いのですから、安く売るのが筋です。
もう5月に入っていたので、そんなに期間はありません。
出品してみて、売れなかったら、どんどん値段を下げようと思ってました。
公演日の1週間前になっても売れなかったら5000円まで下げようと思いました。それが最低価格かな、と。それより下の値段だと悲しくなる気がするので。
2週間前だったら6000円。
今は約3週間前なので7000円かな、と。
ただ、同じ様に大阪公演のチケットを出品しているライバルたちは他にも何人かいて、僕のチケットを買ってもらうためには、そのライバルたちよりも魅力がなければならないわけで。
その時点で、他の人の出品チケットの最低価格が7500円でした。
それで僕が出品するのが7000円だと、あまり差異がないなあと思い、6500円に設定する事にしました。
僕は9800円で買ったチケットですから、それでも3000円以上の損にはなるわけですが、とにかく売れなければ話にならないので、ここは攻めていくしかありません。
売値は6500円に設定しました。
そしたらば。
なんと、わずか1時間!で、買い手が付いたのですよ。これにはビックリというか、拍子抜けというか。
公演日直前までの長期戦になるかと覚悟していたので、まさかこんなに早く売れるなんて想像もしてませんでした。
6500円という値段が良かったのか、それとも端っこの席だというのが良かったのか、郵送ではなくてコンビニ発券というのが良かったのか、何が決め手になったのかはわかりませんが、これも買い手の方とのタイミング、縁ですよね。
売れれば売れたで欲が出て、7000円以上でも売れてたのかな?とか惜しい気持ちも出ましたが、ともかく、無事に買い手が付き、チケットが無駄になる事態は避けられました。満額ではないものの、僕にチケット代は戻ってきますし、大阪会場を1つ空席にする事もなくなりましたし。

これでようやくカタがつき、東京公演に行くんだ、という事に相成りました。
東京公演となると、ブログ仲間のryoさんとご一緒できる事になるのも嬉しいです。
すみだトリフォニーホールは初めて行く場所なので、不安もありました。
今回は開演が19時30分と遅く、となると終演も遅くなって、帰りの電車が心配になるのではないかと思ってたのですが、いろいろと調べてたら、当初考えてたのとは別ルートを発見して、そちらなら多少遅い時間になっても大丈夫という事がわかり、安心しました。
JRじゃなくて、メトロを使えば乗り換えなしでOKでした。


ライヴ当日は、いつものように、あちこちで買い物しながら行ったのですが、途中でタイム・リミットの設定を間違えて、時間が余ってしまい、仕方なく、予定よりも早く会場へ着く事となりました。
すみだトリフォニーホールは、思っていたよりもずっと駅から近くてわかりやすく、簡単に到着する事ができました。
ryoさんとは待ち合わせの時間の打ち合わせはしてなかったので、会場へ着いたらメールしようと思ってたのですが、会場へ着くや否や、後ろからryoさんに話しかけられました。
まだ開場前でしたし、開演まで1時間半以上あったのですが、ryoさんと一緒でしたので、暇を持て余す事などなく、あっという間でした。
グッズは、Tシャツがちょっと欲しいなあと思ったのですが、4000円でしたし、迷いに迷って断念しました。
最近、調子に乗ってたくさんTシャツ買ってましたが、まだ着てないものも多く、ちょっと戒めないと、と思いました。
アーティストTシャツは、なんでも買ってたらキリがないので、楽器を持ってるデザインかどうかを、買う決め手にしようと思いました。そうなると、今回のトッドのTシャツは決め手から外れました。ちょっとカッコ良くて、欲しい気持ちはあったんだけどね...。
開演20分前にryoさんと別れて、トイレに行って、自分の席へ。

僕の席は1階14列8番。
真ん中よりも前の列です。
大阪公演だったら後ろから2列目で観るはずだったのですから、それに比べたら、かなりの良席。
もっと言うと、いち早くチケットを獲ったryoさんよりも前の席だったのですから、申し訳ない気持ちも。
でもやっぱり、前の方の席だとテンションが上がるものです。

19時30分。ほぼジャストにライヴは始まりました。




01. I Think You Know
02. Open My Eyes
03. Hello It’s Me
04. We Gotta Get You A Woman
05. I Saw The Light
06. Black Maria
07. An Elpee’s Worth Of Toons
08. Sometimes I Don’t Know What To Feel
09. Too Far Gone
10. A Dream Goes On Forever
11. The Death Of Rock And Roll
12. Can We Still Be Friends
13. Real Man
14. Love Of The Common Man
15. Couldn’t I Just Tell You
16. Fair Warning
17. The Individualist
18. Black And White
19. I Don’t Want To Tie You Down
20. Determination
21. Cliché
22. Drive
(Encore)
23. The Want Of A Nail


オープニングは、やや意外な「I Think You Know」。
ちょっと地味目も、メロウな中に静かな闘志を感じる曲です。

僕はナッズはほとんど聴いた事ないのですが、この曲だけは昔から知ってました。
ナッズと言えば、の「Open My Eyes」です。
強烈なギター・リフに、スピード感抜群のロックンロールです。

名バラード「Hello It’s Me」にうっとりします。
トッドの「やあ、僕だよ」の歌いかけに、ああ、トッドを生で観てるんだなあと実感。

初めて買ったトッドのCD『Singles』で初めに聴こえてきて、一発で気に入った「We Gotta Get You A Woman」。
それが生で聴けるというのは感慨深いものがあります。
このキャッチーなノリの良さ、たまりません。
もう、このライヴが楽しくて仕方ありません。

そして、トッドとの出会いの曲「I Saw The Light」がもう登場です。
序盤から代表曲を惜しげもなく披露する感じに圧倒されます。
この曲は、以前リンゴ・スターのライヴで聴けて、感動したものですが、トッドのワンマン・ライヴで聴くと、また違った感動でした。
恒例の、間奏明けのメロディでのトッドの「笑い」も聴けました。
うう、やっぱこの曲好きすぎる...。

『Something / Anything?』の流れで、次は「It Wouldn’t Have Made Any Difference」...と思ったのに、カットされました!
この曲、秘かに楽しみにしてたのに、カットになったのはショックでショックで。
という事は、この曲の他にも、カットになる曲があるのではないかという疑念が生まれて、一気に不安になりました。

というわけで、「I Saw The Light」の次は「Black Maria」が演奏されてたのですが、「It Wouldn’t Have Made Any Difference」省略のショックで頭がいっぱいで、あんまり集中できず。
スローながらも、割とハードな印象を持たせる曲です。

今まで、いろんな作品を作ってきたという話で「An Elpee’s Worth Of Toons」。
スクリーンには、トッドがこれまで作ってきたアルバムのジャケット写真が次から次へと映し出されます。ソロ作品だけでなく、プロデュースした作品まで。我が日本のレピッシュ『からくりハウス』とか高野寛『CUE』なんかもしっかり映し出されてて嬉しかったですね。
曲自体は、どことなくコミカルに跳ねたもの。

次はちょっとシリアスになって「Sometimes I Don’t Know What To Feel」。
胸を打つものがあります。

ちょっとお洒落な感じも漂う「Too Far Gone」。

どうしても生で聴きたかった曲の1つ「A Dream Goes On Forever」。
イントロが鳴っただけで大拍手です。
とろけるような、甘く切ないメロディ。
永遠に聴き続けていたい...。そんなファンの気持ちを慮ってか、原曲はとても短い曲なのですが、ライヴ用に少し長くなってたように思います。

その名の通り、ヘヴィなロックンロール「The Death Of Rock And Roll」。
キレまくるギター・ソロなど、攻めに攻めまくります。

「Can We Still Be Friends」では、スクリーンに、トッドと親しいミュージシャンの写真が。僕がわかっただけでも、リンゴ・スター、フレディ・マーキュリー、ロッド・スチュワート、デヴィッド・ボウイなど。
そういう映像を見ながらこの曲を聴いてると泣けてきました。

最近どんどん好きになってきたのが「Real Man」で、楽しみにしてました。
コーラスも美しいし、思わず一緒に口ずさんでいました。

超大好きな曲の1つ「Love Of The Common Man」。
温かさと爽やかさが同居している名曲。
この曲がセットリストに入っているから、このライヴがどうしても観たくなったと言っても過言ではありません。だから、まさかカットされるなんて事はないだろうかとヒヤヒヤしてました。良かった、無事やってくれて。
サビは一緒に歌っちゃったよね。爽快だった!
でも、この曲はギターの音色も聴き所なのですが、ギターの音があんまり大きくなくて、美味しい所がしっかり聴こえなかった。もっとボリューム上げてほしかったなあ。

この「Can We Still Be Friends」から「Love Of The Common Man」への3曲の流れは最高でしたね。感動しました。

またもやハードになって「Couldn’t I Just Tell You」。
ハードな曲だけれども、明るいです。元気になります。

なにか足りないなあと思ってたら、「Compassion」がカットされていた事に後で気付きました。
固定だと思ってたセットリストから、またもや省略されてた曲があったのは不満ですが、この曲なら...我慢所かな。

大作「Fair Warning」。
メドレーの様に、曲が様々な顔を見せます。
どちらかと言うととっつきにくい感じで、重たい印象もありますが、ライヴをグッと締まったものにするのに一役買っています。
終盤のトッドのヴォーカルと、サックスとの絡み合いには感動しました。
そしてエンディングは、原曲通りに「Real Man」のフレーズが顔を出します。

というわけで、ここで第1部終了。
このライヴは、トッドの代表曲を中心とした固定曲による第1部と、15曲くらいの候補の中から、その日の気分で7、8曲が選ばれて演奏される第2部に分かれています。
第2部の曲は、どちらかと言うとヒット曲ではなく渋めな曲ばかりです。
なので、必然的にお目当ては第1部で、第2部はおまけ的な感じなので、個人的にはもうこれで燃え尽きた感も。

15分間の休憩。
その合間に、僕の5列前の席に、萩原健太さんがいらっしゃるのを発見しました。
実は数日前に、健太さんのブログで、どうやら健太さんもトッド観に行くらしいとわかったので、健太さんの本を持って行って、出会えたらサインをしていただこうかなと、チラッと考えが過ぎってたのですが、チラッと考えただけだったので、ライヴ当日はその事はすっかり忘れていて、健太さんの本を持っていきはぐってました。
サインをお願いするチャンスはあったなあ。まさか、あんな近くに発見するとは思わなかった。本持っていけば良かったと後悔。

第2部は、Q&Aのコーナーから。
開演前に、会場でファンからの質問を撮影し、それをいくつかスクリーンで流して、トッドがそれに答えるというもの。
今回は「好きな映画は」とか「ドラッグや宗教にハマらなかった理由は」とか「日本でアルバム再現ライヴはやらないのか」などの質問が出てましたね。

そして演奏再開。
まずは、ツアー・タイトルにもなっている「The Individualist」。
今回、僕が唯一聴いた事ない曲がコレでした。
ヒラヒラと舞いながら歌ってるトッドを観てると、なんか、ウキウキしながら世界中を旅してるトッド、みたいな印象の曲でした。

再びハード・モードになって「Black And White」。
我を忘れたかのように、テンションを上げまくるトッドがカッコいい曲です。

「I Don’t Want To Tie You Down」が、予想外に良かった!
メロウで美しいメロディの曲なのはわかってましたが、たいして期待してなかったのに、予想以上の感動が押し寄せてきました。
歌い終わった瞬間、「いい!」と思わず叫んでしまいました。
大きく見直した曲ですし、第2部の中では、コレが聴けたのは大収穫でした。

キラキラとした「Determination」。

これまた美しい旋律の「Cliché」。
第2部の中では、やってくれたらいいなと思ってた曲なので、始まったと同時に拍手喝采です。
実際にはバンド演奏でしたが、トッドのギターの弾き語りだったかのようなシンプルな音の印象でした。

「Drive」は、個人的には馴染みの薄い曲。
なんとなく単調で、聴き所が少ない様な気がしてしまうのです。
それまでずっと皆おとなしく座って観てましたが、曲の終盤で、お客さんが一斉に立ちました(なにか合図でもあったのでしょうか?)。
手拍子をしてたら、あっという間に曲は終了。

立ち上がって盛り上がってきたところだし、次の曲は?と思ったら、なんとメンバー退場。
あれれ?アメリカ・ツアーの時は、第2部は8曲くらいやってたけれど、今回は6曲で終わってしまいました。
第1部に引き続き、ここでも曲数カットです。
これは残念...。

そしてアンコール。
アメリカ・ツアーでは、最後の曲となるのは3パターンくらいあったのですが、僕が希望するのは、なんと言っても「Just One Victory」。
アメリカ・ツアーでも「Just One Victory」で締めるパターンが1番多い感じだったし、東京だから、きっとやってくれるだろう、この曲を聴いて、僕の今回のトッドのライヴは無事終了となる!

...と期待してたのですが、聴こえてきたのは「The Want Of A Nail」。
ハッキリ言って、これにはガッカリでした。
いや、この曲も決して悪い曲ではないのですが、僕が期待してたものと違ったので、どうしても。
力強く、ソウルフルにスウィングするトッドに、お客さんたちは総立ちで、僕も踊りながら聴いてはいたのですが、頭の中は「Just One Victory」じゃなかった...という思いでいっぱいで。

会場をダンス・パーティーのような空気にして、「グッバイ、トーキョー」と、トッドは帰っていきました。

終了は21時40分。予定時間ピッタリだったそうです。
でも、15分の休憩もあったし、質問コーナーもあったので、曲を演奏している時間は2時間にも満たなく、予想以上に短かったなあと思ってしまいました。


でも、楽しかった!のは間違いないです。
ほとんど座ったままでしたが、まったく眠くなる事もなく、最初から最後までトッドのライヴを堪能しました。
こういうトッドのライヴが観たかったんだよ、との思いは果たせました。きっと、多くのお客さんもそう思ってたんじゃないかな。

ただ、やっぱり「Just One Victory」が聴けなかったのがね、悔しい。
東京でやらないとなると、翌日の大阪公演でやる確率が上がるわけで、後日確認してみたら、やっぱり大阪では「Just One Victory」をやったそうで、それを考えると、やっぱり大阪に行ってれば良かったかなあという思いが出てきたりもするのですが、こればっかりは仕方ありません。
行くつもりだった大阪公演をキャンセルした報いですかね。なにからなにまで、東京公演に行けて良かったとはならないものですね。

トッドの黄金期・ベアズヴィル時代の曲を中心としたセットリストはやっぱり良かったです。
アメリカ・ツアーに比べたら、4曲くらい少なくなってたのは残念でしたが、それでも、第1部の充実ぶりはハンパなかったですし、期待してたものはだいたい聴けたし、おおむね満足。
あ、でも、第2部では「Tiny Demons」とか「Fade Away」も聴きたかったなあ。

トッドは、ずっと楽器を演奏しながら歌うのかなと思ってましたが、ハンド・マイクでヴォーカルに専念する曲も意外と多く。
曲によってはピアノ弾くかなと思ってましたが、今回、トッド用のピアノはなくて。それについてもトッドはMCでなにやら言ってるようでしたが。ピアノを弾くトッドの姿も観たかったな。
ギターも、もっとソロ弾きまくるのかなと思ってたのですが、これも、トッドのイメージからしたら控えめな印象でした。もちろん、ここぞという時ではしっかりソロ弾いてましたけどね。
ただ、ストラップだかシールドだかの具合がずっと悪く、それが気になってか弾き辛そうでした。
それよりも、ステージを右に左にと移動しながら、そして踊りながら歌いまくってる姿が印象的で。
ヴォーカルは、昔よりも野太くなった感じで。しっかり声が出ていると言うよりは、太くなったという感じなんだよね。だから、いくぶん若い頃の声と印象は違いました。
それらを全部ひっくるめて、トッドのパフォーマンスは素晴らしいものでした。
とても70歳とは思えない、元気でパワフル、そして御茶目なトッドでした。
14列目からだと、そんなトッドの表情がバッチリ観えたのも良かったです。

終盤のメンバー紹介の時に、ベーシストの紹介で大歓声が上がるなあと思ったら、ユートピアのカシムでした。わかんなかったよ。
それから、目立ったところでは、キーボーディストが2人いたのですが、片方の人がキーボード以外にサックス、フルート、タンバリンなどと大活躍で、トッドに負けず劣らずのマルチ・プレイヤー振りを見せていたのが印象的でした。

とにもかくにも、チケットを獲りはぐって、東京にするか大阪にするか揺れに揺れ、チケット確保やら売却やらと、いろいろあった末のトッドのライヴ。
こうして無事に観る事が出来たのが何よりです。
楽しかった。観れて良かったと、心から思います。
またこういうライヴをやってくれるのなら、何度でも行きますよ。今度は早目にチケット買います(笑)。


最後まで読んでいただきありがとうございます。楽しんでいただけましたか? もしもサポートしていただけましたら、今後もライヴをたくさん観て、がんばって感想書きたいと思います。