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カフェバグダッドと日本SNS発展史③ーーミクシィ

ミクシィの登場


前回の②では、カフェバグダッド草創期におけるブログの役割について触れた。このあたりについては、また改めて書くことになるかも知れない。とりあえず、先に進む。
ミクシィ(mixi)の登場である。

この日本初のSNSの登場は衝撃的だった。ブログとは違い、参加者の交流・コミュケーションに主眼が置かれている。アラブカフェ愛好家の交流も目指していたカフェバグダッドとしても、いちはやく導入する。
このミクシィも、本名を名乗らない、日本のネット文化の延長上にあった。自然な流れとして、アカウント名は「カフェバグダッド」だった。

ミクシィには、「コミュニティ」という、加入したメンバーの交流の場を作れる機能があった。早速「『カフェバグダッド』ラウンジ」というコミュニティを開設する。2005年2月28日のことだった。

ミクシィのカフェバグダッドラウンジの画面

中東に関係したイベントの情報、参加者ぞれぞれ中東への思いなどが投稿され、にぎわいを見せた。
カフェバグダッドの情報発信でもとても重要な役割を果たし、すでに開設していたブログと合わせ車の両輪のようになっていた。
また、個人的にも、このミクシィを通じて、多くの人たちと知り合いになることができた。同じものが好きな者が集まる場所として、「コミュニティ」は格好の場所だった。
ただ、その「同好コミュニティとしてのミクシィ」の時代も、わりに短期で「衰退」していくことになる。
端的にいえば、米国初のSNS「フェイスブック」の登場だ。時期でいうと、2008年頃だろうか。私個人はその年に新聞社の人事異動で日本からイランに引っ越すことになり、日本にある同好コミュニティとの距離感が生まれたということもある。しかも、当時のイランのインターネット事情はかなり劣悪で、ウェブサイトを閲覧するために十分なネットスピードも容易に確保しにくい状況だった。そうして、ミクシィとの関わりは急速に疎遠になっていった。(続く)


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