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食あり、踊りあり、2023アラブチャリティーバザー

東京・六本木の「泉ガーデンギャラリー」で5月27日、「アラブチャリティーバザー」というイベントが開催された。日本に駐在するアラブ諸国の大使の夫人たちで組織する「駐日アラブ大使夫人の会」が主催。コロナ前のだいぶ前に開かれて以来のことで、本当に久しぶりの開催だったようだ。

ツイッターでさみだれ式にイベントの様子をつぶやいていたら、まとめて「ツリーにしたら見やすい」との助言をいただいたので、これまでのツイートやほかの写真などを交えて模様を紹介することにする。
イベントに行くのはこれが初めて。どんな内容なのかはあまりよく分かっていなった。朝食を抜いて、11時半の開場会場に行ったこともあり、ともかく腹ごしらえを、と思って、まず食べ物を中心に見て回ろうと思った。

ただ、会場をはいってすぐの右側にあったレバノンのブースで足がとまってしまった。横浜のレバノン料理の老舗、「アル・アイン」のオーナー・シェフのジヤードさんの姿があり、思わず他をチェックする前に「アル・アイン弁当」を買ってしまった。後から、他もいろいろ見てから買ってもよかったな、と思ったのだが。弁当は、レンズ豆と米、揚げたタマネギなどが入った「ムジャッダラ」という料理。会場を出たところにイスとテーブルが用意されていたので、そこで座って食べた。キュウリ入りヨーグルトやデーツなども入り、盛りだくさんな弁当だったので、これはこれで満足ではあったのだが。

アラブ連盟に加盟するいわゆる「アラブ圏」の各国(サウジアラビアなど一部の国は出店していなかった)が、それぞれ個性のあるテイクアウト弁当を並べていて、目移りがした。「アラブ料理」といってもひと口では語れないことが、ここに来るとはっきり分かる。

昼飯はレバノンで満腹になってしまったので、あとはテイクアウトで持ち帰ることにする。気になるのは、日本には料理店が(ほとんど)ない国の料理だ。例えばアルジェリア。クスクスなど代表的料理も並べられていた。

ニンジンのクミン煮などが入った前菜セットや、「レシュタ」という細くて平たいパスタを買って帰り、ベルギービールと一緒に食べた。これが意外に相性が良い。アラブ料理とベルギービールの組み合わせは、新たな発見だった。

前菜でもう一つ、シリアのブースで、ディップ系に目が留まる。シリア料理の冷前菜として有名なもの。ひよこ豆とごまペーストのタヒーナで作るホンモス以外にもナス主体のムタッバル、パプリカ主体のムハンマラもあわせて並んでいて、思わず3種類を手にとる。これが正解だった。特にムマンマラは首都圏のアラブ料理店でちゃんと食べた記憶がなく、はじめてじっくり味わうことができた。ホンモスを含め、アラブペースト、やっぱり、すごい。

内戦から10年がたち、アラブ連盟首脳会議に大統領が久しぶりに姿を見せるなど、シリアをめぐる国際情勢にも変化の兆しも見られる。バザーにシリアがブースがあったのも、そうした文脈でも印象的だった。

お菓子にも、各国のカラーが出ていて興味深かった。これは購入したリビアのもの。


いったん、離脱して、午後にまた会場に戻ってきたら、ステージでダンスショーが始まっていた。

上のインスタにあげた写真は、「タンヌーラ」と呼ばれる旋回舞踊。そのほか、シリア地方の「タブケ」やチュニジアの伝統舞踊などが次々と披露されていた。

工芸品にもブースごとの特色があって面白かった。

特に、アルジェリアの陶芸はすばらしく、かなり気になったので値段を聞いてみたら、「展示のみの非売品」とのことだった。
パレスチナのブースには、パレスチナの伝統刺しゅうを着物に仕立てた帯が展示されていた。この帯の加工をてがけている山本真希さんが、みずからその帯をつけてブースに立っていた。

会場には、その刺しゅう帯をつけた和服姿の人もちらほらみかけた。さらに、イランの古都イスファハンの伝統工芸である更紗布「ガラムカール」を帯にしたものをつけている人も見かけて、思わず写真にとらせてもらった。

中東や中央アジアの伝統工芸と、日本の伝統工芸の組み合わせには、新鮮さと落ち着いた調和の両方があり、なんともいえぬ魅力がある。伝統工芸は、中東と日本の交流をより深めるツールになるのでは、と実感して、会場を後にした。

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