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【トルコ南東部を行く】⑱一日を元気にがんばるための羊のスープ

アナトリア半島の内陸部の朝はすがすがしい。トルコ南東部ガジアンテップ、カラっと乾いた秋の空気はひんやりとしていて、体がキリッと引き締まる感じだ。朝の散歩がてら、ホテルを出て、ぶらぶらと街の中心部を歩く。人々の活動はゆるやかながらも始まっている。
パン屋が人でにぎわっているのは、中東の朝の見慣れた風景だ。窯でピデを焼いている店の前に、人々が集まっている。

ピデを焼く職人


チーズをたっぷりのせた生地を、木製の長いしゃもじで窯の中にいれていく。生地をのばして、成形し、チーズと小切りにしたトマトをふりかける。流れるような作業を眺めているだけでも楽しい。

焼き上がったピデ


さらに通りを進むと、脂っこい羊肉のにおいが流れてくる。「ベイラン」というガジアンテップ名物の煮込み料理の専門店だ。
朝からこんなにこってりしたものを……と伝統的な日本の感覚では思うかも知れないが、トルコでは違うようだ。朝こそ、脂っこいものを食べて、一日の活力を得ようと考える人も多いのかも知れない。

ベイランに入れるほぐし肉とご飯


金属バットに盛られたほぐし肉とご飯。羊の脂とともに、唐辛子たっぷりのスープが入った金属皿に入れて、ガスバーナーの強烈な火力で熱する。

バーナーの火は強烈


みためはユッケジャンクッパのよう。味のほうもユッケジャンクッパに似ていなくもない。つけあわせにレモンの輪切りと生の青唐辛子。レモンを絞ると少しさっぱりした味わいになる。

レモンと青唐辛子

青唐辛子は、さらに辛いものを食べるのか、という感じだが、フレッシュな辛さが朝の寝起きの頭をすっきりさせる。
市場通りの店には、ピスタチオなどのナッツと並んで、唐辛子ペースト、唐辛子フレークを売る店も目立つ。辛いもの好きにはたまらない旅行先が、トルコ南東部だ。

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