「におい」と映像美で描き出されるシリア内戦の内実
レバノンの首都ベイルート北部の地中海沿岸に立つ高層ビルの建築現場。シリア内戦を逃れて国外で暮らす、あるシリア人の回想が綴られていく。手がかりとなるのが「セメントのにおい」。建築現場の風景を巧みなカメラワークで切り取った風景は美しい。だが、無論、労働者たちにとって、過酷な生活の場である。
シリア・ホムス出身のジアード・クルスーム監督作品「セメントの記憶」を試写会でみた。3月23日から、東京・渋谷のユーロスペースで公開される。
レバノンには、隣国シリアからの労働者がとても多い