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中東シネマ倶楽部

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中東(オリエント)地域の映画レビュー、映画祭リポートをお届けします。
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#シリア

戦火にほんろうされるシリア人の苦難……映画「葬送のカーネーション」

暗い灰色の雲が垂れ込める荒涼とした草原地帯を走る車の上には、木製の棺が載せられている。冷…

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ISの外国人戦闘員の子ども達は救出されるべきか...ドキュメンタリー映画

イラクとシリアにかけて、一時は英国一国に匹敵する面積を支配していたIS(日本では「イスラ…

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戦争とは、生と死があっけなく入れ替わる恐ろしい状況のこと

以前、シリアに行った時に聞いた話を思い出した。内戦下、首都ダマスカスの自宅近くを歩いてい…

イスラム預言者の映画を撮った監督の命を奪った自爆テロ

2020年も、イスラーム映画祭が開催された。新型コロナウイルス感染拡大という事態の中で、主催…

戦場で生まれた娘のため、シリア内戦を記録し続けた母

人は誰しも、悪夢のような体験をした時、「早く忘れてしまいたい」という気持ちになるものだろ…

日本で、シリアやレバノンの映画が上映されることの意味

中東の映画大国というと、まず第一にエジプトの名前があがるのは当然だろう。アラビア語が話さ…

「におい」と映像美で描き出されるシリア内戦の内実

レバノンの首都ベイルート北部の地中海沿岸に立つ高層ビルの建築現場。シリア内戦を逃れて国外で暮らす、あるシリア人の回想が綴られていく。手がかりとなるのが「セメントのにおい」。建築現場の風景を巧みなカメラワークで切り取った風景は美しい。だが、無論、労働者たちにとって、過酷な生活の場である。 シリア・ホムス出身のジアード・クルスーム監督作品「セメントの記憶」を試写会でみた。3月23日から、東京・渋谷のユーロスペースで公開される。 レバノンには、隣国シリアからの労働者がとても多い