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にっこり笑ってフリージャズ その14


早逝したドラマー、田中穂積(1949〜1994)さん

ナウ・ミュージック・アンサンブル(N.M.E.)、沖至トリオ、佐藤允彦がらん堂、田中さんの活動期間は短かったですが日本フリージャズの歴史における重要なグループにその足跡を残しています。今回は古いジャズ雑誌に載った田中さんの発言を見つけたので、それをご覧いただきます。

『Jazz』No.18 1973年6月1日 ジャズピープル社

「特集I セシル・テイラー、なぜ ソロピアノか?」

沖至トリオ『殺人教室』(1970年)ジャケット裏にはトリオの3人とプロデューサーの副島輝人さんが座談会をした記録が載っていますが、田中さんの発言は1箇所だけです。

私が田中さんの演奏に接したのはN.M.E.が2回(東京と仙台)、佐藤允彦がらん堂が1回(仙台)だけです。(記憶が曖昧なので確定ではないです、すみません)その、がらん堂のポスターが昔の私の部屋の写真に残っていました。イラストは和田誠さんでしょうか、メンバーの似顔絵です。1970年代半ば頃の仙台のコンサートでは、がらん堂に中山千夏さん(当時の佐藤允彦さんのパートナー)が加わって谷川俊太郎さんの「ことばあそび歌」をやりました。この写真ではポスターの下の方、落書きがしてありますが左が田中さん、右が翠川さんの絵です。

最近、初期の沖至トリオの貴重なライヴ音源が収められたLP『センセーショナル・ジャズ』の音源がYouTubeにアップロードされました。渋谷公会堂で1970年に開催されたコンサートのライヴ盤です。

A面:宮間利之とニューハード(トランペット・ソロ:日野皓正)沖至トリオ

B面:日野皓正クインテット 高木元輝トリオ(高木元輝 ts. 佐藤允彦 pf. 豊住芳三郎 ds.)

どれも貴重な録音ですが、特に沖至トリオと高木元輝トリオには注目です。沖さんのこのトリオの録音は『殺人教室』とこれだけ。高木さんのこのトリオの録音はこれだけなのです、演奏しているのは富樫雅彦さん作曲の「フォー・ユニット」。冒頭に載せた画像がこのLPのジャケット上部。手元にあるのは1976年の再発盤ですが、そこに入っている解説に原盤の、いソノてルヲさんの文章が再録されています。

締めは

その『センセーショナル・ジャズ』から。

沖至トリオ「Mood」

沖至 tp. 翠川敬基 b. 田中穂積 ds.

(当時の翠川と田中は弱冠20歳です)


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