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にっこり笑ってフリージャズ その7

12月3日は久しぶりの遠征、郡山市までライヴを観に行きました。

「村 吉 炎 北日本ツアー2021」

(宇都宮市の実家へ帰る途中の寄り道みたいなものでしたが)

北海道、岩手、宮城、福島、大阪、に在住の音楽家たちがソロだったりグループを組んだり。知り合い、聴いてみたかった人、録音を聴いて?だった人、などなど魅力的な組み合わせです。岩手県花巻市在住の村上巨樹さんが自分のバンド(te_ri)の名義で助成金を得て実現しました。3日の郡山市のあとは札幌に飛んで2日間。気苦労の多い制作をやりきった村上さん、素晴らしい。

(それぞれのプロフィールなどは上の画像にある紹介文を解読してください)

3日の演奏順は、これ

まず、地元の「炎」

私が聴くのは2回目ですが、この日も訳分からなさ(難解、ではなく、とりとめない、でもなく)が面白すぎて、やっぱり大好きなバンドと確信。バンマスがキュー出しするのですが、曲の構成がどうなっていて、どこまで、どう決まっているのか曖昧な印象で、3人の「とりあえずこれがベスト」という音の連なりに身を任せました。

次は、「〽(いおりてん)」

バンド名こそ変ですが出音はダンサブルで変幻自在。荒川さんはギターを使わなくても超高速カットアップを。対する名取さん、反応したりしなかったりリズムで切り込んだり、メリハリが大きいドラミングを。会津若松在住のAkio Jeimusu(通称ジミー)さんが微細に荒川さんに反応するのと好対照です。ずっと聴き続けたいリズムとサウンドの万華鏡。

3つ目は、村上巨樹ソロ

ミャンマー・マンドリンでミャンマー音楽の古典を何曲か。そしてアコースティック・ギターで自作曲を披露。以前にも盛岡で聴いたし配信でも馴染み深くなったミャンマー音楽ですが、やはりゆったりと聴くのは格別。現地では師匠に習った曲を一晩で覚えて仕上げるなど逸話もいろいろ。そして凄かったのがオリジナル曲。おばあさんに買ってもらった14歳で初めて持ったギター(注文していたエレアコが届かなかったそうで)から繰り出される美しい世界。さすが加藤崇之さんの高弟、脱帽。

4つ目は、地元のSayonara Markets

「ズンドコ」と紹介されている通りトラック流す中に音足してリズム足して、ありがちな展開でも妙に明るい2人。曲づくりはうまいのですよ、とてもキャッチー。ドラムがもっと切り込むと刺激的で面白いのですが。

最後は、北海道+大阪の、「固犬(かたいぬ)」

面白い遠距離バンド(主催の村上さんと片山さんのte_riも岩手+岡山ですから遠距離バンドですが)。このデュオはインプロをふんだんに盛り込んだカバーやオリジナルの「曲」で通します。ヨシガキさんは特撮好き、でもウルトラマンはやらず「ゴジラ」のテーマを。小物使いが得意らしく、目の前に金物や弓などをズラッと並べて瞬時に持ち替えながら演奏する彼の動きを見ているだけで音楽を感じます。そして個人的にこの日一番聴きたかった吉田野乃子さん、バリバリ吹きまくりアルトサックスの「足ミュート」も披露。高低・強弱・太細、楽々とコントロールして小気味良い。ばっちり決まったユニゾンも随所にあり、先の読めないスリリングな展開好きです。

楽しかった郡山のライヴ、お会いできた皆さんに感謝。

※私はきちんとした「批評の言葉」を持っていないので自己流の印象批評しかしません、悪しからず。

締めは、te_riの演奏。Egberto Gismonti 「Palhaço」

追記:当日の映像がYouTubeにアップされましたのでリンクします(12月15日)


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