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珈琲屋2年やって学んだこと

はじめに

ご無沙汰しております。

開業に関心がある人が多いみたいで、未だ1年前くらいの記事を読んでもらって、スキを押して頂いてます。

読んでいただいて感謝。

確定申告やらメニュー改定やらが落ち着いたので振り返り記事の投稿です。

また、余裕がある時に更新していこうと思います。

さて、2024年2月で開業2期目を終え、3年目に突入しました。

廃業率はよく3年で7割とか言われたりしますよね。

魔の3年目、一見怖そうに見えますが、僕の場合、そこまで怖くありません。

どうやれば売上が上がって行くか、どうやれば利益が残るか、を会社員時代の経験則でなんとなく知り得ているからです。

そもそも、この3年目の数字は資金のジリ貧で心が折れた人の数であって、ほとんどの飲食店は1年目から苦しい状況が続き、じりじりと資金が枯渇していき、2年目に5割の心が折れ、3年で7割の心が折れるわけです。

つまり、基本的に初年度から7割近くの飲食店は3年目の終わりに向かって近づいているだけです。

なので、体力を消耗していないお店、つまり利益がしっかりと出ている飲食店にとっては、魔の3年目とは無縁なわけですね。

さて、そんな3年目に突入した僕ですが、独立してからも大きな学びと、色々な後悔がありますので、今回はそれを記事にしたいと思います。

学びとは

家賃は精神的ストレスを感じない範囲で 

僕のお店の家賃は15万を切っています。

15万て、バイトしたらなんとかなりそうな気がする範囲ですよね。

これが30万だと、ちょっとしんどい。

この家賃の低さが、心の余裕を生み、無茶な働き方を抑制しました。

僕は基本的には営業時間内に全ての仕事を終わらせています。

営業時間は8時間、前後15分くらいで片付けと準備が終わります。

健全に長く続けるにはライフワークバランスは重要だと考えるからです。

お客様と対面するカウンター席はいらない

これは僕の場合ですが、カウンター席を作ったのはめちゃくちゃ後悔しました。
土日は忙しくて2人体制なのですが、平日はワンオペなので、カウンターに長居するオーナーと話したいお客様が座ると、仕事の手が止まってしまいます。
滞在するお客様の相手を数時間したこともありましたが、流石にこれは良くないと思い、改装の時に無くしました。

会話しながら仕事すればいいじゃないかと思うかもしれませんが、せっかく来て頂いたお客様をほっといて、他の仕事をすることの方が僕には無理ですね。

今は、お客様に対面しないカウンター席は残していますが、適度な距離感が生まれています。

必要なタイミングでホールに出て、色々なお客様と会話ができるようになりました。

常連とオーナーで盛り上がっている光景は、新規のお客様に受け入れられない空気感ができます。

特に僕はこれを懸念しました。

独立開業するにあたって、カウンターでお客様との楽しい会話は一見憧れのように映るかもしれませんが、僕はお店の存続こそが一番の地域貢献だと思うので、このような判断をしました。

仮にまた店内改装や移転、新店舗の展開になったとしても、対面するような席は、新規にご来店されるお客様への平等感がなくなってしまうので、作らないと思います。

そんなわけで、1年経たずして、追加で100万以上かけて造作変更しました。

お金かけたカウンターは無駄金でした(涙

正直、このような最適解を知らなかったので、オープンから諸々で無駄な費用をざっくり300万近くかけています。

いずれ、僕の開業経験を活かした開業のお手伝いをしたいと考えているので、このような無駄な費用を考えると、僕に依頼して頂いた方が安くなるような価格設定を検討中です。

客単価は高い方がいい

特に個人店でカフェの場合は客単価を高めに維持できないとかなり苦しい経営になります。

僕のお店の客単価(正確には同一会計の時には客数を打ち込んでいないので、会計単価です)は初年度1,300円台に対して、2年目は1,700円、そして、この記事を書いている3月現在1,800円まで上がりました。

3月に値上げを実施しましたので、もう少し会計単価は上がっていく見込みです。

もちろん400円値上げしたわけではありません。

テイクアウト商品やまとめ書い商品などを用意し、自家焙煎の珈琲屋の武器はなんと言っても豆売りです。

一回の会計でお一人様5,000円を超えることが結構な頻度であります。
この客単価増加のおかげで、”結構暇だったな”なんて日も、売上が良かったりします。

今は1日10人で18,000円。
1年目だと13,000円の売上。
10人でたった1日でここまで差が開きます。

珈琲スタンドで独立したい人、18,000円売るんだったら、一杯500円で36人ですよ。

単価が低いって大変です。

ワンオペは本当に何もできない

カフェやるんだったら、ワンオペ考えてる人が結構多いと思います。

ちなみに当初はサンドイッチや、盛り付けの大変なデザートもやってました。

しかし、すぐにやめました。

ワンオペだとスピード提供ができないからです。理想は、お皿に乗せるだけ。

これ以上のオペレーションは無理です。
ハンドドリップ珈琲も相当オペレーションを練りこまないと無理です。

主力じゃない商品は原価をかけてもいい

ワンオペで人件費をかけないということは、浮いた人件費分を業務委託していいわけです。

例えば、毎日仕込んで100円の原価のケーキを、外部業者から200円で仕入れることで作業時間を減らす。

その商品を月間200個売ったとして、上がる原価2万円です。

”2万円も上がる”、と考えるかもしれませんが時給で言えば、20時間程度のアルバイトを採用しているのと同額です。

採用のリスクとコストを考えると、専門家に依頼して、安定した商品を仕入れてもいいですよね。

可能な限り、個性を尖らせる

僕のイメージするカフェはこんな感じ。

・珈琲3種類
・ケーキ2種類
・サンドイッチ2種類
・パフェ1種類
・ココア、クリームソーダ、ソイラテなど、珈琲以外のドリンクが充実
・カレーまたはナポリタンみたいなランチの代替えとなるメニューがある

このようなお店、お近くにありませんか?もしくはイメージできませんか?

僕がこの2年でメニュー変更する際に主軸としていたのは、この「一般的なカフェのイメージからどれだけ逸脱できるか」です。

なぜなら、このようなカフェはどこにでもあり、「強い来店動機にはなりえない」からです。

僕のお店の今のメニューはこんな感じ。

・甘いもの4種
・珈琲20種以上
・ウィスキー数種、珈琲カクテル、珈琲アレンジ2種
・珈琲豆の持ち帰り40種

以上です。

この構成の飲食店はなかなか無いと思います。

このメニュー構成から連想できる飲食店はありますか?

尖ったメニューと専門性は商圏が広くなります。

なぜなら、近くに似たお店がないので、利用するにはわざわざ足を運ぶ必要があるからです。

「あなたのお店じゃなきゃだめな理由はありますか?」って問いかけを目にしませんか。

これは本当に大切な問いかけだと思います。

終わりに

とにかく目立たない小さなお店でスタートしましたので、今考えるとなかなかお店が認知されていなかったなと思います。

現在は認知が広がり3年目でさらに勢いが出ています。

未だにここにお店があると知らなかったとおっしゃるお客様が多いです。

1年目は広く浅くどのメニューに需要があるのかを見定めて、2年目に需要のあるメニューを尖らせ専門性を出して、客単価と認知を広げました。

さらにインターネット販売の強化と、ギフト商品を導入。

3年目は調整の年だと思っています。

原価率は落とせないか、お皿のサイズはどうなのか、オペレーションはより簡略化できないか、などよりコンパクト化しながらも利益を最大化させていきたい。

まだまだ気が早いですが、法人化も見据えて、税金面も勉強中です。

珈琲屋、カフェ関係の経営や開業方法をまとめたサイトを立ち上げたいと考えていますので、その際はツイッターでお知らせしたいと思います。

是非、ツイッターの方もフォローお願いします。

カフェ経営3年目 まっつー

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