思考することを避ける他罰的な人に効果的な経験学習サイクルは回せないのではないか

効果的な学習法として経験学習がある。私は部下や若手育成の学習といえば経験学習サイクルが回ることとして、部下や若手に関わっている。
また、組織発達において、タックマンモデルやギブの懸念に代表される各種グループ発達の理論において葛藤を乗り越えることがグループ発達には欠かせない。これは最小のグループである2人の関係においても同様であり、私と関わる部下や若手との関係において、私の働きかけから起こる葛藤をどのように乗り越えていくのかが、特に自己の成長や学習において重要であり、自己内省を行い葛藤を乗り越えていくことが学習につながると信じている。

その観点からすると、効果的な学習において、部下や若手側が思考する能力があり、自己内省する意思がなければ学習は起こらないのではないかと思っている。

学習が起こるのに必要な能力と意思

・思考する能力とは、単に与えられた情報を整理したり情報を探して利用するということではなく、自分の頭で考え、工夫や改善していく能力。
・自己内省する意思とは、物事を相手のせいにせず主体的に捉え、己を見つめ自己を振り返ろうとする意志。

この2つは共にトレーニングにより向上することができるし、私はTグループをはじめとした各種感受性トレーニングによってこの2つを意識的にトレーニングし向上てきた。そのため、誰でも向上しようと思ってトレーニングすれば可能ではあると思っている。しかし、ここで難しいのは、思考する能力は仕事の中でもトレーニングが可能ではあるが、自己内省する意思については仕事の中ではトレーニングができない(と思っている)ということである。

思考する能力は、能力であるため、単なる情報整理から自分の頭で考えるという考え方を具体的に示し繰り返し教えていきトレーニングを繰り返すことで工場可能である。しかし、自己内省する意思は、あくまでも本人の意思ややる気の問題なので、もともとの性格傾向に起因する。変化させるためには、本人がそもそもその意思を持とうとしなければどんなにトレーニングしたところで変わることはない。特に他罰的な人は、葛藤が起こったときに自分事として捉えることができずそこから避ける言い訳として相手を理由に自分の内面にベクトルを向けることがない。

経験学習サイクルの内省的省察はあくまでも自分で自分の内面に意識のベクトルを向けることができなければその先の経験学習サイクルが回らない。自己内省する意思を持っているかどうかは、単に作業的な仕事をしているだけであれば不要かもしれないが、創造的な仕事をしていこうとすると必要不可欠な意思ではないかと思う。

Tグループやギブの懸念については下記リンクの本を参照

Tグループを勉強するための本|CAEエンジニア (note.com)

組織開発については下記のリンクの本を参照

組織開発を勉強するための本|CAEエンジニア (note.com)


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