見出し画像

CAEのコンサルティング利用法

CAEのコンサルティングサービスは、大きく4つのカテゴリーに分けられます。それぞれのカテゴリーは、異なるニーズに応じた支援を提供します。

  1. 業務改革の推進
    業務改革を目的としたコンサルティングです。顧客企業の製品開発における設計や実験を含む業務全体を診断・分析し、CAEを活用した組織変更や業務フローの最適化を提案します。ここでは、組織の構造や業務プロセスそのものに深く踏み込み、根本的な改革を目指します。これは、一般的なビジネスコンサルタントが行う業務に近いものです。

  2. 技術力の向上
    CAEの技術力向上を目的とたコンサルティングです。顧客企業が十分に扱えない解析領域をカバーできるようにするため、手法・調査・教育に関する支援を提供します。ここでは、解析のテンプレート作成なども含め、技術伝授が主な目的となります。経験豊富な専門家が技術指導をするイメージです。

  3. 特定問題の解決
    特定の問題解決を目的とするコンサルティングです。顧客企業が自社で対応できない技術領域のCAE解析案件を受託し、その結果を納品します。この種のサービスでは、コンサルティング提供側は再受注を見込んでノウハウの全面的な開示を避けることがあります。技術指導とは異なり、プロフェッショナルとしての目的達成型サービスです。

  4. 労働力の補充
    顧客企業に技術はあるものの、人員やコストの制約で自社内で対応できないCAE業務を支援する有償サービスです。主に顧客企業の解析手順やノウハウを利用して解析を進めます。このカテゴリーは、CAEのスキルを持つ労働力の提供を重点を置いていますが、業務の改善やノウハウの蓄積にもつながるため、広義のコンサルティングとして位置付けられることがあります。

各コンサルティングサービスの費用は、提供される内容によって大きく異なります。技術やノウハウの伝授を含む1と2は、通常高額になりがちですが、成功すればコンサルティング終了後も長期にわたる効果が期待できます。一方、3と4は解析内容の特殊性や必要なスキルにも依存しますが、相対的に単価は低めです。しかし、まとまった業務を扱う場合、トータルコストは大きくなることがあります。このように、CAEコンサルティングには幅広いサービスが存在します。利用にあたっては、自社の現状と目標、そしてコストを踏まえ、適切なサービスを選択することが重要です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?