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カディスCFマーケティングディレクターがクラブの哲学や内情を語る!

カディスCFのことは中の人に聞くのが一番早い!
今回は、カディスCFのマーケティングディレクター、ハイメ氏 (Mr. Jaime Castellets) をゲストにお迎えしました。

※本記事は2020年10月に配信した音声取材を記事化したものです
(取材日 9月、ハ=ハイメ氏、CJ=カディスジャパン)
※インタビュー全編を聴きたい方は最下部から聴くことができます

リーグ開幕前の状況

「準備期間は短いけど、やり切ります」

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CJ:今日はマーケティングディレクターのハイメさんにお越しいただいています。よろしくお願いします!

ハ:グラシアス!

CJ:9月13日のオサスナ戦がいよいよ開幕戦となりましたが、目下進めている作業など近況を教えてください

ハ:私のいるマーケティング部門でいうとスポンサー関係の更新であったり、スタジアムでの看板露出などの確認をしているところです。

CJ:今年はイレギュラーなシーズンで準備期間も短く、様々な影響が出ていると思いますが、特に影響を受けている部分はなんでしょうか

ハ:確かに普段であれば2ヶ月半ぐらいの準備期間がありますが、今回に関しては約1ヶ月の準備期間しかなくてやらなければいけないことが凝縮してしまっている点では厳しいですが、その期間で同じ量をやりきるということに関しては出来そう、というかやり切ります。ただ、スポンサー周りの契約関連は時間がかかっていますが、9月末までには全てサインする段取りでやっています。あとは、例えばVIP席の建て替えなど今やらなくてもよいことは先延ばしにするなど、優先順位をつけながら準備を進めています。

カディスCFの組織体制と売上規模について

「昇格したことによって放映権を含む収益は増えました」

CJ:クラブの組織についてもお話を聞いていきたいと思います。スタッフは何人ぐらいいるのでしょうか

ハ:社長、運営、リーガル、コミュニケーション、マーケティング、スタジアム関係のファシリティ、セキュリティ、チケットなどに組織が分けられています。組織の上で言うと会長と理事会がトップに位置し、その下で言うと全ての部門の責任者である本部長がいて、その下に各部署があり、それが運営部門のベースになっています。あとは私たちが直接運営しているわけではありませんが、カディスのファンデーションもあります。スポーツ部門ではマネジメント、スカウト、テクニカル、育成部門などがあります。

CJ:純粋にカディスのクラブスタッフは何人ぐらいいるのでしょうか

ハ:正確な人数は分かりませんが、大体運営側で50人、監督・コーチを全部含んだスポーツ部門で80人ぐらいいると思います。なので合計で130人ぐらいですね。

CJ:Jクラブより多いですかね。次にお金の話も聞いていきたいのですが、売り上げの規模感と収益源について教えてください

ハ:今シーズンの収益予定を言うと約4500万ユーロ(=約54億円)になります。収益の内訳はテレビの放映権、年間シートの売り上げ、スポンサーやグッズ関連、あと移籍金もあるのですがそれは数字には含めていません。

CJ:約54億円というのはスペインリーグ1部でいうとどれぐらいの規模なのでしょうか

ハ:1部でいうと下の方ですね。

CJ:Jリーグでいうと清水エスパルスやFC東京と同規模、トップ10に入るぐらいですね

ハ:この金額はヨーロッパのリーグで戦うクラブと比較すると半分にも満たないぐらいですし、リーガの中での差は非常に大きいです。もちろんですがレアル・マドリード、バルセロナ、アトレティコ・マドリードは別格ですね。それでも2部にいる時とは、特に放映権収入の面で大きく違うので、予算で見ると進歩しました。ただ、上がりたてのチームなので高い予算があるわけではないので、いい選手を取る夏の時期は大切でした。収入と給料がマッチしないとリーガから制裁を受けるので、選手獲得にも気をつけています。

カディスCFに来るまでのキャリア

「様々な国を見てきましたが、日本にも是非行ってみたい」

CJ:改めてハイメさんの経歴を教えてください

ハ:カディスのマーケティング部門を担当して4年目になります。その前はリーガで働いていて、国際部門においてリーガを世界に広める仕事を担当していました。それ以外ではハイネケンやスペインで有名なnhホテルグループで働き、アメリカにも1年半いました。欧州で何カ国かにいましたが今はスペインに帰ってきています、数年後には日本にいるかもしれませんね!

CJ:お待ちしてます!

ハ:様々な国に仕事で行ってきましたが日本はまだ訪れたことがなく、個人的にも日本には行きたいです。

CJ:カディスのマーケティングとコミュニケーションの違いや、それぞれのミッションについて教えてください

ハ:メインの仕事は商業としての収入を確保することです。スポンサーやグッズ、VIP、イベント、SNS関連の収益を含みます。2つ目はリーガの広告・テレビ放送に関して、3つ目はインターナショナルでの成長に関してです。ビジネス・コミュニケーション面、ファンやパブリックとの関わりというのが私の3つの大きな役割です。

スポンサー契約の中身、そして噂の選手移籍の真相とは…

「クラブだけではなく、カディスという街の魅力を一緒に伝えるパートナーをスポンサーとして迎え入れることが重要です」

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CJ:スポンサーの話の中でいうと、アディダスとの長期契約について聞きたいです

ハ:アディダスとは2016年から2023年までの7年間の契約を結んでいて、その先も長く契約を結んでいきたいと思っています。なぜ彼らがカディスに価値を見出してくれているかという点に関しては、カディスというクラブがスペイン全土の中で知名度が高く、愛されていて、歴史の深いクラブという事実があるからです。そのカディスというブランドをサポートしたいと思っていてくれていること、また逆にカディスとしてもアディダスという世界的に有名なブランドについてもらっていることを誇りに思います。両者名前が知れ渡っているブランドという認識をお互いに持っています。

CJ:日本企業のスポンサーもウェルカムでしょうか。スペイン以外の海外のスポンサーの事例があれば知りたいです

ハ:マーケティングの立場からしたら、もちろん日本スポンサーに興味はあります。ただカディスという街にも興味を持って、盛り上げていきたいと思ってくれる企業にお願いをしたいと思っています。カディスは歴史がある街で長年のファンによってもっているクラブなので、インターナショナルな目線でいうとファンの拡大がまず重要です。なのでまずはファンの繋がりをもって、最終的にそこに日本企業がスポンサーについてくれるのであれば非常に嬉しい話です。

CJ:今シーズンから国外のスポーツベッティング企業dafabetが新たにスポンサーについていますが、きっかけや経緯は

ハ:2、3月頃から動き始めたのですが、マドリードにいたdafabetの代理人とコンタクトが取れてテレビ会議で話をし、最終的に2シーズンの契約を結ぶことができました。スポンサーを探している中でいい回答をくれた企業の一つでした。

CJ:カディスという街は日本でまだあまり知らせていません。日本人に向けて3つ魅力を伝えるとしたら何でしょうか

ハ:日本のスポンサーとカディスという街がお互い愛し合うような関係が望ましいです。そう行った架け橋を築いていきたいということを前提にすると、カディスという街は世界的に名前の知られた街であり、文化は西洋の中でも最も古いですし、1年を通して雨もほぼ降りません。アンダルシアの美しい海と、食文化は日本のみなさんにも愛してもらえると思います。カディスCFに限って言えば110年の歴史があり、とてもフレンドリーで、サッカーにかける情熱も日本と近いものがあるのではないでしょうか。

CJ:最後に、香川真司選手の移籍の噂が日本では報道されていたのですが、ズバリ真相は

ハ:私はマーケティングの担当なので何も言えないですが(笑)、個人的には香川選手が黄色いユニフォームを着てくれたら非常に嬉しいです。トップでできる力もあるので、実現できれば嬉しいです。僕は何も言ってないですよ(笑)。

CJ:報道後、Twitterでメッセージもたくさん届いたんですよ

ハ:香川選手のようにエリートな選手が来ることがあればファンも含めて非常に嬉しいですけど、彼に限らず日本の選手は力があるので、そう行った選手が来てくれればとても嬉しいですね。

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#サッカー #ラリーガ #スペイン #スポーツビジネス

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