【OFF THE PITCH】 クラブカラーの黄と青はホームタウンを象徴する太陽と海
カディスCF日本公式アンバサダーのRikutoによるコラム、「OFF THE PITCH」。スペイン文化や社会学を専門に研究しているRikutoならではの視点で、スペインサッカーの話、そしてカディスのトリビア的知識をお届けします。
黄と青が体現するカディスのアイデンティティー
黄色は太陽。青色は海を意味するクラブカラー
「カディス」と言えば・・・・・西ヨーロッパ最古の街並み?1812年制定の憲法?それとも、熱狂的なカディスタ?
答えは人それぞれですね。
しかし、カディスCFの試合を見ると・・・・・否が応でも「黄色」と「青色」で構成されるクラブカラーに注目してしまう。なぜか。
それは、南国らしく輝く太陽と大西洋に広がる海の街「カディス」を全身全霊で表しており、 カディスタやカディス住人のアイデンティティとなっているからなのです。
どのようにして、この2色がカディスCFを現すカラーになったのでしょうか。(ボーっと生きてんじゃねーよ!と言われないためにも、)少しクラブ史を覗いてみましょう。
カディスCFの起源は、1910年の白いユニフォームをまとうカディスFCにあります(CFではなくFCだよ)。しかし、当時は青とえんじ色の縦縞模様(バルセロナと同じような)のエスパニョールFCがカディスの街の代表的なクラブでした。
1920年代に入るとミランディージャFCというクラブが台頭してきます。1924年にミランディージャFCとカディスFCは統合します。以後、名称変更が行われる1936年まで、ミランディージャFCは街を代表するクラブチームでした。カディスCFの前身であるこのクラブは、地面を意味する「黄色」と空を意味する「青色」の二色の縦縞模様(偶に青色の代わりに黒色が使われていたことも・・)のユニフォームで活動し、カディスの人々に親しまれていました。
ミランディージャは1933-34シーズンに公式選手権に参戦したのを機に、現在のカディスCFスタイル(黄色のシャツに青色のパンツ)となり、カディスCFとなった後、ミランディージャFCから続くクラブカラーを引き継いだのです。こうして「黄色」と「青色」はカディスタにとって親しみのあるカラーとなったのです。
ちなみに、どれほどカディスCFのカラーが重要であるかを感じることができる出来事があります。
1950-51シーズン、クラブの取締役会による新しいクラブ経営方針によってクラブのメインカラーである黄色が朱色に変更されるという事態が起きました。都市としてカディスは朱色をメインカラーとしているため、都市とクラブを繋ぎ合わせようという目的であったのでしょう。しかし、これにカディスタ達は大大大激怒。
その結果、翌シーズンに新しいクラブ会長によってクラブの伝統である「黄色」が復活することになりました。
このようなことからもわかるように、「黄色」は単にクラブを代表する色だけでなく、カディスのアイデンティティとなっていったのです。
現在のカディスCFを表現する色はカディスの街と人の歴史の中心となって、現在も歴史を紡いでいっています。
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