生ある文字達
2ヶ月と言う短い期間でしたが、町のポータルサイトのwebライターをしていました。
そして、業務提携先である新聞社で営業・記者をしていた。
架空のお店を題材に、ポータルサイトと新聞での書き方を書き比べてみます。
ポータルサイトのライターでは、メインターゲットが女性でした。
魔界2丁目にある魔導工房さん。
店内はいつも沢山の魔導士用品で溢れていて、目移りするほど充実しています。
そんな魅力的な魔導工房さんが、なんと!
魔法成功率100%の杖を作っちゃったんです!
これで魔法詠唱の失敗もなし!
気になる方はぜひ!
まずは親近感を持ってもらえるように書きます。
「あっ!いいな!行きたい!買いたい!」
親近感を持ってもらえると、共感につながります。
そして、それもひとつの信用になります。
なので、少し砕けたPOPな記事を書くんです。
要は、口コミです。
そして、次。
新聞向けの紹介記事は、まずはタイトル。
魔法界の革命的発明
創業1200年、魔導士用品の老舗「魔導工房」が魔法成功率100%の杖の開発に成功した。今までの常識を覆す製品に、工房の自信が伺える。杖は現在、店舗にて販売中。
淡々と商品や催しの説明や事実を述べ、そして「ぜひ」と言う様な言葉は書かない。
説得力を持たせ、記事を見た人に
「そこへ行かなければならい動機付け」
を作り、足を運ばせる。
これは歴史が長く、新聞という手に触れられる紙媒体だからこその信頼と説得力のなせる事だと思うのです。
新聞に載っているor載った=信頼
これはブランディングの一つなのだそうです。
どちらも写真は用います(無い場合もあります)が、文章一つで読み手の受け取り方は変わりますよね。
同じ店舗の広告記事を書いているにも関わらず、歴然の差です。
発表するメディアによっても書き方のルールや雰囲気、カラーがこんなに変わるんです。
文字はその時の媒体やTPO、伝える相手や手法によっても、まるで生き物の様に性格を変え、しかも書き手によってますます、その個性が枝分かれしていく。
二次創作で物語を書いたり、自分の思う事を書いていたものとは別次元でした。
その時の表現で何となく書き分けることはあっても、こう言うルールで書いて下さい。と言う事は初めてで、いざ、そう言われるといつも文章を書く感じほどスルッと出てくるものじゃ無い。
先輩方は200文字程度なら、それをものの10分程で書き始めから仕上げまで終わらせてしまう。
まさにプロ。
本当にたった2ヶ月間と言う短い時間でしたが、濃密でとても勉強になりました。
記事を書く上でのことだけではなく、ものの捉え方や価値観。
貴重な時間、経験が出来たことを心から感謝しています。