学生時代に置いてきてしまったもの

■お堅い管理課長


以前の勤め先の店舗にお堅い管理課長がいた。
50代の小柄な男性。いつも眉間にシワが寄っていて、笑顔を見たことがない。
業種は小売だったけれど、その課長は管理業務一筋で一度も売り場に出たことがないらしい。

なるほど、そのせいなのか、そもそもの気質なのかは知らないが、いかにもな管理課長だった。


正直面倒な人だった。申請書類はまず戻される。そして重箱の隅のような細かいところを突っ込まれる。
そこの厳密さは今必要?と疑問に感じたことも幾度とあった。

まぁでも、管理課長たるものこうあるべし ということかと思っていた。

あるとき、その店舗の送別会があった。1店舗に100名以上はスタッフがいるため割と大きな規模の飲み会だった。


会場が温まってきた頃、
管理課長が正面のステージに上がった。



顔面白塗りで、髪をトゲトゲに逆立てていた。


「お前ら蝋人形にしてやろうかぁああああ!!!」



私が、学生時代に置いてきてしまったものはこれだと思った。


余談だが、この課長は翌月
本社の総務部長に昇格した。


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