CACAノオトvol.1 「書の線と空間」
〜過去から現在へと貫くもの〜 岡本光平
書を構成するのは線と字形、そして余白と空間性が最大の特徴です。
なかでも東洋が誇る伝統の書画は線が命です。西洋絵画は長らく面をもって描いてきましたが、ゴッホたちがたまたま日本の線で描かれている浮世絵に衝撃を受け、線に目覚めたことはよく知られています。以後、マティスのように東洋的なワンストロークの一回性の線に目覚めた作家たちが輩出し、20世紀半ば以降の現代美術のなかにも線を主体とした表現が多く見られるようになりました。逆輸入のような