MOONLIGHT
私はこの手の映画は少し苦手な部分がある。それは、エモーショナルな描写が迫りすぎて、ドキドキして、観ているのが苦しくなってしまうところである。(ので、予め分かっている場合は映画館では観ないようにしている。)特に、1部2部の、親元で生活しないと生きていけない身分、学校の鬱屈して閉塞感のある空気感がリアルで、息苦しくなった。それだけ表現が素晴らしいのだと思う。
3部は、筋肉や金歯で固められた外見と、内気な少年時代のままの仕草のコントラスト、青年時代の出来事をずっと覚えているピュアな部分が印象的だった。今まで実感できずにいた親や友人の「愛」を感じられるシーンには思わず涙がこぼれていた。一方で、「MOONLIGHT」のタイトルや1部のセリフが示すとおり、月明かりの元で輝く物語であることは忘れてはいけない。生い立ち。闇の仕事。語弊はあるが、同性愛というテーマ。太陽には照らされることの無い人生は、世界のどこかでループしている。これを社会問題だと提起しているものではないが、そんなことを考えさせられるような映画だった。
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