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Eagle’s Eye 第5節 vs愛媛 プレビュー

 第5節、FE名古屋はホームで愛媛オレンジバイキングスと対戦します。FE名古屋にとっては今季初めての平日ナイトゲーム。今節の個人的な見どころをまとめました。
 (選手名は敬称略で記載します)

愛媛オレンジバイキングスについて

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<昨季の成績>
24勝23敗(勝率51.1%)、B2西地区3位(全体9位)

<オフの動き>
 愛媛に超攻撃的バスケを持ち込んだリチャード・グレスマンHCが退任し、エースであるチェハーレス・タプスコットが移籍、チームの潤滑油として活躍した笠原太志が引退と、否が応でも方針転換を迫られることになった愛媛オレンジバイキングス。新たに指揮官に迎えたのは、元新潟の庄司和広HCでした。
 外国籍選手は、パワフルなドライブが魅力のユージーン・フェルプス(元琉球)、インサイドの得点だけでなく3Pも得意なライアン・ステファン(元東京EX)、そして昨季大阪と契約合意しながらもシーズン前のケガで正式契約に至らなかったオールラウンドなビッグマン、ペリー・エリスを獲得しました。昨季のタプスコット&ヴォールケル体制と比べると、良く言えばバランスが良く安定感のある、悪く言えば意外性がなく面白みに欠ける人選となりました。
 日本人選手は、島根から坂田央を獲得し、さらに期限付き移籍で広島から小澤智将、島根から大﨑翔太が加入したことで、笠原が抜けたウイングの位置を補強しました。一方で、楯昌宗が抜けたPGの位置には東京CRから坂井耀平を獲得し、ルーキーの山田友哉が加入したのみで、若干の不安が残ります。俊野達彦がPGも兼任することを見据えての補強だと思いますが、その俊野達彦が練習で負傷して開幕から1ヶ月半~2ヶ月の離脱となり、なかなか厳しい状況となっています。

<チームのスタイル>

 庄司HCは、ディフェンスを強化しつつ、オフェンスはこれまでの愛媛のスタイルに合ったアップテンポなオフェンスを継続することを示唆していました。しかしながらここまでの成績では、平均得点、平均Pace(攻守の切り替えの早さを示す値)、速攻からの平均得点の何れも昨季に比べて低くなっており、B2全体で見ても下位となっています。実際に試合の映像を見ていても、無理に速攻を狙うよりもしっかりセットしてステファンのポストプレーを狙うシーンが目立っていました。外国籍選手の合流が遅れた影響でそうなっている可能性も否めませんが、庄司HC自身、アップテンポなバスケは自分にとってもあまり経験がないチャレンジだと話しているため、何れにしても昨季までのような試合展開の激しいスタイルにはならなさそうな印象です。

<愛媛の前節のハイライト>

・第1戦

・第2戦

注目点① 超長身3P砲ライアン・ステファン

 今季ここまで、試投数こそ多くないものの66.7%という高確率で3Pを決めているライアン・ステファン。今までの対戦相手にはいなかったタイプのセンターです。フィッツジェラルド、ウォルドーの両ビッグマンはお世辞にも機敏な選手とは言えず、安易に3Pのチェックに出てしまうとカウンタードライブで簡単に抜き去られてしまう可能性があります。かといって、これまでのような高確率で3Pを沈めてくるのであれば当然無視はできません。ピック&ポップ(スクリーンをかけた選手が、その後ゴール下に飛び込むのではなく外に広がるようにして3Pシュートを狙うプレー)への対処も含め、チーム全体で連動して守る必要がありそうです。ゾーンディフェンスを使って守る時間帯もあるかもしれませんね。ステファンをどのように守るのか、FE名古屋のディフェンスに要注目です。

注目点② God is in the details.

 愛媛のウイング(SG/SF)には、俊野佳彦(188cm)、小澤智将(188cm)、坂田央(193cm)、大﨑翔太(192cm)と、B2では珍しいほど長身の選手が揃っています。この高さは、ボールがあるところよりもボールがないところで有利に働くと思います。
 FE名古屋は、ピック&ロールで相手のディフェンスにズレを作ってインサイドのビッグマンや3Pラインで待つシューターにパスを出すオフェンスが中心ですが、いつもの感覚でパスを出すと愛媛のウイング陣の手に引っかかってしまうかもしれません。また、ディフェンスの面ではボールを持っていない選手がゴールに向かって走り込むプレーに注意する必要がありそうです。FE名古屋の選手としてはしっかりとディフェンスをしたつもりでも、高さの差を突かれてパスを通され、そのままレイアップに持ち込まれる可能性もあります。オフェンスではひとつひとつのパスの判断やスピードを突き詰めていく必要があると思いますし、ディフェンスではしっかりと相手に身体をぶつけたり(バンプ)、常にポジショニングを微調整するなど、攻守ともに普段以上にひとつひとつの細かい動きを大切にしてほしいです。

ウイングの高さからくるパスカット

注目点③ Recovery & Research

 今季初の週半ばの試合となる今節ですが、その前節、FE名古屋は土日(10/24,25)に越谷と対戦しているのに対し、愛媛は木金(10/22,23)に佐賀と対戦しています。つまり、今節の対戦(10/28)に向けて、愛媛は4日間の準備期間があったのに対し、FE名古屋は2日間しか準備期間がありません。連戦の疲労をしっかり癒して今節に臨むことができるか、また、しっかりと相手のスカウティングができるかという点で、この2日間の差はものすごく大きなものになると思います。きっと今も、FE名古屋の川辺HC&澁澤ACらコーチ陣は必死に愛媛を研究して対策を練っているところでしょう。ただし、その対策を選手たちに浸透させる時間は殆どないと言っていいと思います。選手は選手でしっかりと疲労を取らなければいけないので、あまり練習で詰め込むこともできないと思いますし。
 このため、今節のFE名古屋は、ある程度ぶっつけ本番で試合に臨む部分も正直あるのではないかと思います。対して、愛媛は休養充分でしっかり対策を立ててこの試合に臨んでくるでしょう。そのような状況下でも、試合開始からどれだけ高い集中力でプレーできるか。今節は、第1Qからいきなり試合の山場が来るのではないかと感じています。

まとめ

 まだ今季未勝利の愛媛ですが、選手層を見る限り最下位に沈むようなチームではないと思います。外国籍選手が3人とも合流し、しっかりと準備期間を取って臨む今節、悲願の初勝利を目指してこれまで以上に必死でプレーしてくるはずです。FE名古屋としては、まずはその気迫に負けないこと、そして、疲労がある中でも頭をクリアにして冷静かつ的確なプレー選択をすることが求められます。
 先に書いた通り、愛媛は決して弱いチームではなく、むしろ今節に限っていえば難敵とも言える相手だと思いますが、B2優勝を狙う上ではここは落とせない試合であることも間違いありません。この正念場をチーム一丸で乗り切っていきましょう!

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