第15節 vs仙台 プレビュー

　FE名古屋の2021年最初の試合は、ホームで仙台89ers戦です。仙台といえば前回の対戦時に連敗を喫した相手。FE名古屋としてはリベンジに向けて気合いが入ります。ちなみに今季これまでにFE名古屋が同じチームとの連戦で連敗したのは、仙台戦のみです。2021年の行く末を占う一戦、FE名古屋は勝利で飾ることができるでしょうか。注目点をまとめていきます。

注目点① ベンジャミン・ローソンのフィット具合

　2020年末に、大方の予想通りFE名古屋への加入が発表されたベンジャミン・ローソン。今節は、彼のフィット具合が勝敗に直結するといっても過言ではないでしょう。
　ローソンは高さと機動力を兼ね備えた選手であるため、アンドリュー・フィッツジェラルドや前任のブラッドリー・ウォルドーと比較して広い範囲を守ることができます。前回の対戦では、仙台のダニエル・ミラーやエリック・ジェイコブセンがハイポストやそれより遠い位置でボールを持った際に、フィッツジェラルドやウォルドーが間を詰めきれずにそこからのアシストを許してしまう場面が何度もありましたが、ローソンならその位置へのプレッシャーを強めることができるかもしれません。
　ただし、チーム全体での共通理解がない状態でローソンがそこまで飛び出してしまうと、ゴール下のガラ空きになってしまうリスクもあります。ローソンがチームに合流してからまだ一週間程度ですが、どれだけチームとして連動して動くことができるのか、注目です。

注目点② 笹倉怜寿の不在による影響

　A東京からのレンタルで加入したルーキーながらここまで平均11.0得点3.5リバウンド3.9アシストの好成績を残している笹倉怜寿ですが、今節は怪我の影響でプレーできない見込みです。
　特にオフェンスにおいては、笹倉がボールハンドラーとなるピック＆ロールは仙台の強力な武器の一つでしたが、今節はそれが使えなくなります。その分、澤邉圭太や月野雅人といった他のボールハンドラー役の選手たちがオフェンスの中心となる時間帯が増えることでしょう。FE名古屋としては、彼らをどれだけ抑えられるかが勝敗を分けるポイントになってきそうです。
　また、これまでの仙台では、ピック＆ロールが行き詰まったときの二の矢はミラーとジェイコブセンによるハイロープレーでした。しかし、今節はFE名古屋にローソンが加入したこともあり、前回の対戦ほど簡単にハイロープレーを許すことはなくなると思います。となれば次に仙台が頼るのは新加入のルブライアン・ナッシュの個人技でしょう。鋭いドライブや高精度のアウトサイドシュートなど、オフェンス力に優れたナッシュを自由にプレーさせないようにできるかにも注目する必要がありそうです。

注目点③ ピック＆ロール時の周りの動き

　FE名古屋と仙台89ersは、どちらもピック＆ロールをオフェンスの中心に据えたチームです。しかし前回の対戦では、スクリーンを使うボールハンドラーと、スクリーンを掛けるスクリナーとのどちらでもない3人目の動きの部分で差があった印象です。
　例えば仙台では、ガードの選手とミラーでピック＆ロールを仕掛ける際に、ジェイコブセンがゴール下で自分のマークマンにスクリーンアウトをするような動きをすることが多くありました。これによれば、ジェイコブセンをマークしているティルマンをヘルプに行かせないようにしつつ、自身は裏へのパスやオフェンスリバウンドに備えることができます。これはほんの一例で、仙台の選手たちはただ広がってスペースを空けているだけでなく、適宜ポジションチェンジを繰り返すことでより味方が攻めやすい状況を作ろうとしていました。
　一方のFE名古屋は、味方がピック＆ロールを仕掛ける際に邪魔にならないポジション取りをしようという意識は見られるものの、それ以上の工夫はあまりなかったように感じます。もちろん、何事も闇雲に仕掛ければいいわけではありませんが、いつも同じような動きではディフェンスも対応しやすくなってしまうため、時には相手の意識の裏をかくようなプレーがあってもいいと思いました。
　この辺りの両チームの差について、前回の対戦から今節までのひと月半の間にどう変化しているのか楽しみです。

最後に

　12月後半から1月前半のFE名古屋は、茨城、熊本、仙台、福島と勝率5割超のチームとの対戦が続くなかなか厳しい日程です。しかし、茨城&熊本との対戦では2勝2敗と、ウォルドーが急に離脱したことを考慮すればなかなか上出来といえる成績を残すことができました。そして2020年末に発表されたベンジャミン・ローソンの加入。なんとしても今節の仙台戦で勝ちを掴んで、2021年の快進撃につなげていきましょう！！

（終わり）