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vs仙台プレビュー|Weekly FE名古屋2021-22 #33

今週のTopics

① B1昇格決定!
② B2POファイナル、仙台89ers戦の注目ポイント

B1昇格決定!

 B1昇格をかけたセミファイナルの相手は熊本ヴォルターズ
 Game1とGame2では全く違った展開になりましたが、最終的にはどちらも追いすがる熊本をFE名古屋が振り切って勝利し、悲願であったB1昇格を掴み取りました。

 セミファイナルの前には以下のようなプレビュー記事を書きましたが、そこで挙げた注目ポイントについてはどうだったのでしょうか。

◉ファストブレイクポイント

FE名古屋 シーズン平均→14.8点、Game1→22点、Game2→15点
熊本   シーズン平均→17.9点、Game1→13点、Game2→11点

 ここは明確にFE名古屋が上回った部分でした。実際に試合を見ていても、FE名古屋のファストブレイクに対する意識(特にディフェンス)は高かったと思います。
 FE名古屋は両日ともターンオーバーを7個に抑えられたのも大きかったですね。オフェンスが成功する/しないにかかわらず、意図した形でオフェンスを終えられたのは、その後の熊本のファストブレイクを抑える効果もあったと思います。

素早い戻りで相手の速攻に対しても複数人で対処
(写真提供:マメちゃんさん(@natsuki30en))

◉ディフェンスリバウンド

熊本のオフェンスリバウンド奪取率
シーズン平均→30.1%、Game1→28.9%、Game2→20.0%

 熊本にオフェンスリバウンドを奪われた割合、裏を返せばFE名古屋がディフェンスリバウンドを確保した割合については、Game1ではシーズン平均と変わらない数字でしたが、Game2ではしっかりと抑えることができました。
 特に目立っていたのは野﨑零也。FE名古屋のビッグマンが熊本のビッグマンを抑えている間に、ルーズボールに素早く反応してしっかりとディフェンスリバウンドを確保してくれました。

ルーズボールへの意識が高かった
(写真提供:マメちゃんさん(@natsuki30en))

◉ゾーンディフェンス

 こちらについては、cyndiさんのnoteを読んでいただくのが一番だと思います。笑

 書いてある通り、特にジョーダン・ハミルトン&LJ・ピークが同時出場する時間帯では、ゾーンディフェンスを有効に使って相手のドライブをしっかり守ることができました。
 熊本はハミルトン&木田貴明の不調(コンディション不良)もあってなかなかアウトサイドのシュートに活路を見いだせず、最後まで完全に崩しきることはできなかった印象でした。

◉準備の差

 これについては、結果にどれほどの影響があったのかを検証するのは難しいですが、やはり熊本としてはコンディションの面で厳しい日程だっただろうと思います。
 Game2の後半に出られなかった木田に関しても、腰に手を当てているシーンが目立ちましたし、腰痛持ちだったとすれば新幹線移動も負担になっていたのは間違いないでしょう。特にこの2試合は、プレーオフにふさわしいインテンシティの高い試合となったので、肉体的な負担は大きかったと思います。

余談

 以上のように、試合前に挙げた注目ポイントに関してはFE名古屋が上回った印象がありました。
 ただ一方で、熊本にもポジティブな要素がなかったわけではないと思います。

 ハミルトン、ピーク、木田といった得点源が抑えられている中で奮闘した佐々木隆成は、改めて自分の価値を証明しました。
 この大舞台で3Pを5割以上の確率で沈め、Game1で17得点、Game2で18得点を記録できる選手は貴重だと思います。ややターンオーバーが多いことは今後の課題ですが、ベック体制2年目となる来季は、連携も増してさらに素晴らしい選手に成長するかもしれません。

 また、この2試合では磯野寛晃の意地も光りました。
 元々ディフェンスでは素晴らしいものを見せていた磯野ですが、Game1ではキャリアハイの19得点を記録し、Game2では第4Qだけで13得点の活躍。
 強力な外国籍選手や、木田、佐々木といった選手たちにFE名古屋の意識が向く中、戦略的に半ば放置される形となっていたこともあり、本人としては自信の数字よりも悔しさの方が勝るでしょうが、この経験を糧に攻守両面で活躍できる選手になることができれば、熊本にとって手放してはならない選手の一人になると思います。

まとめ

 Game1では熊本の土俵である点の取り合いで上回り、Game2ではFE名古屋の強みであるディフェンスで差をつけることができました。熊本も時折「らしさ」を見せることができたものの、総合的にはFE名古屋が地力の高さを見せつけたセミファイナルとなった印象です。

 これで、FE名古屋は今季の目標の1つであったB1昇格を決めることができました。
 残すはもう1つの目標であるB2優勝です。

B2POファイナル、仙台89ers戦の注目ポイント

 さて、そのB2優勝をかけたファイナルの相手は、仙台89ersに決まりました。
 プレーオフ前の予想では1回戦(クォーターファイナル)敗退を予想していましたが(誠に申し訳ございません。笑)、持ち前の激しいディフェンスはプレーオフのインテンシティの高さと絶妙にマッチし、より脅威を増しています。

 オフェンス面、特にアウトサイドのシュートには大きな波があり、それがクォーターファイナル、セミファイナルともにGame3までもつれる要因になっているように感じますが、逆に言えばディフェンスでは大崩れしないだけに、オフェンスさえ当たりがこればどのチームが相手でも勝てる、という自信を持って試合に臨めている印象です。

 さあ、FE名古屋としては何を意識して戦えばいいのか。注目ポイントは、基本的に熊本戦と変わらないと思います。手抜きじゃないですよ。笑
 ただ、注目ポイントは同じでも、その意味合いは少し異なります。

◉ファストブレイクポイント

 仙台は熊本とは対照的に、ファストブレイク(速攻)による得点も失点も少ないチームです。
 まず仙台側のファストブレイクについては、リバウンドや失点からのファストブレイクを狙ったチーム作りがされているわけではないので、激しいディフェンスからのスティールにさえ気を付ければそれほど大きな問題にはならないと思います。
 一方でFE名古屋は、積極的にファストブレイクを狙っていきたいところです。仙台は強固なディフェンスが最大の強みであり、そんなチームにしっかりと準備をされて待ち受けられると、いくらFE名古屋とはいえ簡単に得点を上げることはできないと思います。
 焦って雑なオフェンスをしてしまうようではいけませんが、チャンスがあれば仙台のディフェンスの体勢が整う前にシュートまで持ちこんでしまいましょう。

◉ディフェンスリバウンド

 熊本はポジション問わず多くの選手がオフェンスリバウンドに飛び込んでくるチームでしたが、仙台はよりシンプルに、ジェロウム・メインセ&ジャスティン・バーレルの2人が高さとパワーでオフェンスリバウンドをもぎ取ってくるチームです。
 一度インサイドでポジションを取られてしまうと、パワーの劣る選手ではいくら囲んでも彼らをディフェンスすることは難しく、下手をすればファウルを与えてバスケットカウントということにもなりかねないので、シュートを打たれた直後のスクリーンアウトだけではなく、ゴール下のポジション争いについては常に注意をしておきたいところです。

◉ゾーンディフェンス

 越谷のバッツや熊本のハミルトン&ピークに対して用いたように、ファイナルでも、仙台の誇る外国籍ビッグマンたちを止めるためにゾーンディフェンスを使う場面があるかもしれません。
 しかし、仙台は波があるとはいえ、3Pを武器としている選手の数自体は多く、香川とのGame3のように当たりだすと止まらない怖さもあります。インサイドに人数をかけて守りつつ、外のシュートをどこまでケアするのか、ハイポスト近辺からのジャンプシュートが好きなバーレルへの対応も含めて、注目です。

◉準備の差

 熊本とのセミファイナル同様、準備に充てられる時間の差という点では、今回もFE名古屋が有利です。
 FE名古屋は、クォーターファイナル、セミファイナルともに2連勝で突破し、直近の試合から中5日でファイナルのGame1を迎えます。全試合をホーム開催しているため、ラウンド間での移動もありません。
 一方の仙台は、クォーターファイナル、セミファイナルともにGame3まで戦い、直近の試合からはたった中3日でファイナルのGame1を迎えます。さらに、クォーターファイナルは仙台、セミファイナルは香川で開催されていたため、移動による負担もあります。しかもどうやら、香川から直接名古屋入りではなく、一度仙台に帰ってからまた名古屋に来る模様です。これは厳しい…

 香川戦後には藤田弘輝HCが「Game2での敗戦後もゲームプランを大きく変えることはしなかった」とコメントしていたように、仙台は自分たちのスタイルに自信を持っているので、準備期間があろうがなかろうが仙台の戦い方は変わらなかっただろうと思いますが、一試合を通して強度の高いディフェンスを目指すそのスタイルは、疲労の影響も無視できないと思います。
 今はB2優勝B1昇格にかける強い気持ちが疲労に勝っているようですが、状況が悪くなると途端に色濃く現れるのが疲労というものです。FE名古屋としては、早い段階で自分たちのペースに引きずり込んで、たまった疲労を仙台の選手たちに自覚させることで優位に立ちたいですね。

最後に

 繰り返しになりますが、ファイナルの相手となった仙台は、セミファイナルの熊本とはまた全く違ったタイプの強敵です。
 ディフェンシブレーティング1位と2位の戦いにふさわしい盾×盾対決となるのか、それとも、FE名古屋はオフェンシブレーティング2位のチームでもあるので、矛×盾対決のような試合になるのか、全く予想ができませんが、お互いの意地がぶつかり合う激しい試合になることだけは間違いないはずです。

 今季最大の目標であるB2優勝まであと2勝!
 みんなで最高の景色を見に行きましょう!

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