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成長する組織でエンジニアリングマネージャーが大切にしている5つの考え方

自己紹介

はじめまして。サイバーエージェントのAI事業本部アプリ運用センターでエンジニアをやっている後藤です。現在の主な業務はエンジニアリングマネージメントですが、サーバーサイドやインフラなども含め幅広く仕事をしています。今回は事業や人数が拡大するアプリ運用センターで、個人やチームが成長するために僕が行なっていること、考え方をまとめてみました。

略歴
2017年サイバーエージェント新卒入社。
AI事業本部AIRTRACK配属となり、エンジニアとして広告配信システム(DSP)の開発を行い開発責任者としてエンジニアリングマネージメントを経験。その後2020年よりアプリ運用センターに所属し、現在は第一開発室の開発責任者として開発チームを牽引。

拡大する組織の中はカオス

立ち上げフェーズのプロダクトやチームは、
1. 変化が大きくやることがブレる
2. メンバーのモチベーションが下がる
3. 今何をやるべきがいいのかわからなくなる
などの課題を抱えがちです。これらを解決するために ウォーターフォール vs アジャイルのようなことを書くのは野暮かな(笑)と思いますので、代わりに開発責任者として僕が考えている5つの考えるべきことを紹介しようと思います。

5つの考えるべきこと

  1. ポジショニング

  2. ティーチング

  3. メンタリング

  4. ファシリテーティング

  5. コーチング

プロジェクトは、計画時は理想的な進み方になっているように見えても、突然の仕様変更や、市場の変化、顧客とのやりの齟齬、人の入れ替わりなどにより、思うように進まないことが多々あります。実際に僕もいくつかのプロジェクトで経験しました。

理想的な進め方
実際の進み方

実際の進み方が必ずしも悪いわけではないのですが、最短経路でゴールに到達できるに越したことはありません。なるべく理想的な進め方にするために、以下の5つの考え方を紹介します。

ポジショニング

ポジショニング

チームの立ち上げから少し時間が立った時や、対象とする市場が変化した場合など、ゴールまであとどれくらいなのか、良い状態なのか良くない状態なのか、自分達の立ち位置が分からなくなる時があります。
こうしたときは、組織や仕事の全体感を伝えたり、Whyの部分(何を、なぜ作るのか)をメンバーに伝え、自分達がどこにいるのかをわかってもらうことが大切です。

WHAT・WHY(何をなぜ作るのか):PM
WHEN・WHO(誰がいつまでに作るのか):エンジニアとPM
HOW(どのように作るのか):エンジニア

https://note.com/ca_retaildx/n/n8cd62a62357b

以前の記事で書かれているように、PMと話してみるのも一つの手だと思っています! 

ティーチング

ティーチング

組織が立ち上がったばかりでプロジェクトが安定していない時期には、メンバーに対するティーチングを意識することが大切です。ここでは責任者に技術や経験が求められます。関わる人達がナンモワカランという状態では、プロジェクトをスムーズに進めることは難しいからです。
こうした段階では、一番経験がある責任者が、こうやってやるんだ!こうやって進めるんだ!ということをメンバーに対して "見せる" ことが重要だと思います。メンバーの自律性を高めるためには、手取り足取り教えすぎるのもよくありません。つい口を出したくなってしまう時もグッと堪えて、できる限り背中で語るようにしています。

メンタリング

メンタリング

プロジェクトが進んでくると、スピードや品質向上の点で停滞感が出てくることがあります。こうした時には、後ろからそっと押すようなアドバイスが有効です。ポジショニングができているにもかかわらず停滞してしまっている場合、特に停滞感は大きく感じられるものです。競合や他のチームはうまくいっているのに、自分達だけうまく出来ていないと感じてしまいます。

こうした状況でこうやってやるんだ、とティーチングをしても、自分達の停滞感が浮き彫りになってしまうだけになってしまいます。改善できたことや障害になっていることを "アドバイスする"姿勢で接することで、チームや個人に安心感が生まれ、次第に本来の成果を出せるようになってきます。何が
プロジェクトを進める上で問題なのか、一緒に考えることが大事なのではないでしょうか。

ファシリテーティング

ファシリテーティング

プロジェクトが進むにつれ、意図せず実際のゴールとは違った方向に進んでしまう時があります。ポジショニング都度確認することで未然に防げる場合もありますが、市場の変化などから結果的にそうなってしまうこともあります。そんな時はプロジェクトの方向をファシリテートしなければいけません。
当たり前のことではあるのですが、この方向は間違っているのでこっちにしましょうというわけですから、これはなかなか勇気がいることです。日々のミーティングで発散した議論の方向性を修正するのだって怖くなる時がありますよね。なかなか勇気を出すのは難しいのですが、ポジショニングやティーチング、メンタリングを通じてプロジェクトの現状を組織全体に周知させ、ゴールへの道を明確にすることができてれば大丈夫。もちろん反対意見が出ることあるでしょうが、自分の考慮不足と学びにしましょう!

コーチング

コーチングは一番難しく、説明も難しい考え方です。やや抽象的ですが、僕が特に気をつけているのは欲しい言葉をかける、質問する、ということでしょうか。この人は自分を理解してくれている、ちゃんと見てくれているとメンバー思えるような言葉をきちんとかけるということが大切だと思います。この分野は多くの本や資格もあるので、興味のある人は勉強してみてください。

まとめ

今回は事業や人が拡大する組織において、僕がマネージャーとして大切にしている考え方を紹介しました。こうした考え方は、大きな組織を運営する場合だけでなく、個人や小さなチームを動かす場合でも重要なのではないかと思います。今現在チームのマネージメントをしていない方でも、新人を育てる立場であったり、小さなプロジェクトを任されている場合には、同じように参考になるのではないでしょうか。もし、チームが最近うまく行っていないなぁと思っているなら、まずはチームがおかれている状況はここなんですよーと、ポジショニングを確認するのが第一歩ではないかと思います!

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