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“誰かのために予備を持つ”気遣い。CA時代に先輩から教わったこと

こんにちは。
《CA.jp》編集担当スタッフの栗野です。

ANAの客室乗務員時代に、可愛がってくださっていたM先輩から教えていただいたことがあります。

それは、「誰かのために予備を用意しておく」という気遣い。

ある国内線フライトでストッキングが破れてしまったクルーがいました。

客室乗務員は乗務中に破れてしまった場合に備えて、ストッキングの予備を常に準備しているもの。

ただ、そのクルーは不運にも、その日すでに予備のストッキングを使ってしまったそうで、すぐ取り出せる場所にストッキングの予備がなかったそう。

便間に機内準備などが重なりあまり時間がない中、焦る彼女に、M先輩は「はい!これよかったら使って」と、ささっとストッキングを差し出しました。

遠慮する彼女にM先輩は、「あと3つあるから遠慮なく言ってね!何回破っても平気よ」と、冗談っぽく明るく言い放ちました。

後で詳しく聞いたところ、M先輩は客室乗務員の人数分の予備ストッキングをいつも用意して乗務しているそう。

その日は、B737という客室乗務員が4人アサインされたフライトだったため、M先輩は自分を含めた4つの予備を準備していたと言います。

M先輩は「私も新人CAの時に、先輩からストッキングを貰って助かったことがあったから」と教えてくれました。

また、他にもM先輩のバッグには、予備のハンカチ、のど飴、マスクなど…「フライト中にクルーの役に立ちそうなもの」が入っていました。

もしかすると、“予備”の出番はないかもしれないにも関わらず、M先輩は常に「誰かの役に立つかもしれない」との思いでこっそり準備していたのです。

誰かのために予備を持ち歩く気遣い

ちょっとした行動で、自分も安心し、相手も喜ばすことができるかもしれない。

私は、M先輩からその心得を教わった日から、同じように誰かのために予備を持ち歩くようになりました。

自分が相手のためにできることを、こっそりと考えて行動するのは心にも余裕がうまれ気分がいいものですね。

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