うま味ってよくわかんねえ式パワーボム~季節のジュレを添えて~

 うま味、曖昧で朧気で便利な言葉だと感じている。だが、確かに存在している。うま味調味料を舐めた時に感じる脳に直結する味。甘いでもしょっぱいでもないあの味。

 カレー屋をやるまでうま味を強く考えたことがなかった。20歳で上京し、声優として極限貧困生活を送り腐りかけた畜肉などを白菜と煮込みポン酢で食い続ける日々だった。元々料理は好きだったので調味料などはある程度持っていたがうま味調味料を購入したことは一度もなかった。
「うま味調味料は体に悪い」なんてことを言いたい訳ではない。チャイニーズレストラン症候群なんて言葉もあるが嫌がらせの一種で騒いだだけじゃねえの?って思っている。
 塩・醤油・ポン酢・マヨネーズ・ケチャップ。そいつがあれば生きていけるぜ。最新型のピストル。なんてブランキージェットシティーの歌詞が如く信頼している調味料を使い続けていた。や、厳密にはうま味調味料はお惣菜、激安弁当、外食などほぼ入っているし避けようとしない限り必ずぶつかるから摂っていたのだろうけど。

 独身異常男性である私が食べる日々の食事は皆さまが思っている以上に質素というかめちゃくちゃだ。カレー、りんご、あたりめ、チーズ、オリジンのから揚げ。マジでここ一週間くらいこればっか食べてる。食べ物に飽きる習性がないので無限に同じ物が食える特別な存在なのです。まるでヴェルダースオリジナル。甘い飴なんて二年前の11月から食べてないから久しぶりに甘い甘い飴が舐めてぇ~!すっぱいハイチュウ食いてえ~よぉ~!
 そんなことはどうでもいいんだ!何くだらないことばかり書き綴っておるのか?あんまりしょうもないことを書いているとこっちもねえ、感情的になるよ?感情的になって大人の人を呼んでしまうかもしれないがそれでもよろしいか?わかったね?了解!

 という訳でうま味って考えたことがなかったし令和四年の今現在も自宅にはうま味調味料を置いていない。
 しかし自分でカレーを作ってみるとうま味について思案を巡らせることが多くなった。

 味とうま味は明確に違うと感じている。でも詳しいことはわからんし、勉強したらすぐに答えがわかってしまってつまんねえな(決して面倒だからではありませんよ。いや、空いた時間は銭湯(大塚記念湯)に行きたいと思っているし気の合う仲間と「ハーイ!飲んでるゥ~!?」と鬱陶しい【人に好かれたいから好かれようとする行動をする嫌われ者ムーブ】をブチキメていきたいと思っているし今は確定申告の準備もあるしカウンター修理の業者とのやりとりもあるの。面倒だからではないってことだけ覚えて帰ってくださいよ。ヘヘヘ、小銭、小銭ならお土産に持たせていただきやすよ。。。結局は投げ銭キボンヌの文章ですが言いたいことはあるか!?ねえな!解散!)との行動原理なのでカリーザハードコア的実践主義でとりあえず仮定してぶっちぎって間違っていたら「まあ~、最初からそう思っていたんっすわ!」とオトナの動きをしていく所存です。

 当店はわからないなりにうま味を重視している。今日、たまたまお客様に「形容しがたい味だけどおいしい」みたいな言葉をいただいたので「当店は明確な味はないが確実にうまくなる要素を数種類カレーに入れている」と答えた。今まで人には言わなかったがこれが当店のフェイタリティー要素であるとしている。
 例えばシュマルツ。豚の背脂をガン加熱して脂を出して固める調味料。当店の売りになっている。シュマルツ自体にはほぼ味を付けていない。塩を本当に少しと胡椒のみ。シュマルツだけを口に入れると濃厚な脂の味だけが広がる。そりゃそうだ。だって脂そのものだから。だけどこれを味がはっきりしているカレーに混ぜることで謎の存在感を爆上げしている。他にもうま味を上げる行為をしているがそれは隠させてネ。。。

 そして米、米はググればいくらでもやり方が出てくるから書くけど、当店では炊飯前にとぎ汁が透明に近くなるまでひたすら磨いている。ザルで表面を傷つけないように研いで水もガンガン替える。この時期はきつい。米を研ぎ終わると手が紫色になり冷たすぎて奇声を発しながらうろうろして回復を待つレベル。
 逆にバスマティーはほぼ研がないよ。砕けちゃうから。そうすることでジャポニカ米独特の香りを薄めてバスマティーライスの香りが前に出るようにしている感じですわ。その後、塩・ひまわり油を秘密量入れてから出汁昆布を入れて浸水開始。秘密時間浸水後にそのままファイヤー。するってえと異様に評判が良くて恐縮する当店の米ができる。

 米自体に味はあるが、カレーの邪魔にならないように限界まで無味にしたい欲求があり、しかし米としての存在感を強めに出すために上記の方法で炊飯をしている。となると米の決め手はなんなのか?うま味だ。味をできる限り消してうま味をブーストさせたい。
 カレー自体には主にシュマルツが作る動物性のうま味、米には昆布と油からでるうま味。同じうま味でも出自が違うってことは雰囲気が違ううま味が発生していると信じている。信じているから間違っていても何も言わないで。キッスで口を塞ぎますよ!?誰かが!

 うま味、正直まだ全然答えは出ていないし多少懐疑的に考えている部分はあるが、その存在は認めているし多少は使えていると考えている。だからこそ他店のインドをはじめ多種多様なカレーを食べた時よりもうま味を感じる速度が速いのではないのかしらね。
 それに個人的な思いだが、曖昧なうま味を最初に感じてからソリッドな味を感じた方が咀嚼後、飲み込んでから次の一口まで口中に「何か」が残りやすい気がする。その何かは「味」ではない方が当店のやり方にあっているな。「あと引く味」って言葉があるけど、あれは厳密には「味」ではない気がするんだよな。や、自分のカレーがそこまで味を出し切れていないのは承知しているんですが。
 だからこそ、うま味の圧力、うま味の下駄を使って味を曖昧に跳ねさせて次の一口を誘える状態に持っていきたい。

「なんだかわからんがとにかく良い」

 幽霊、宇宙人、都市伝説、陰謀論。それらに共通する良さは「なんだかわからん」部分だ。だからこそ掘り下げるし、結果わかってしまっても「どういうこっちゃ!まあ面白いから良いか!」と納得できる。
 その「なんだからわからなさ」を料理に落とし込むと「うま味」になり、うま味をコントロールすることで平坦になりがちな味を複雑怪奇に面白くしてくれると仮定している。

「美味しいより面白い店になりたい」それがカレーをやると決めた時に決めたvalueでありphilosophy。その面白さを上げるのがうま味だと信じて今日もカレーを仕込むのです。
 体にしみ込んだスパイスの香り、犬や猫を撫でようとして手を近づけると匂いを嗅いだ後に遠くに逃げる切なさ、電車になると「カレーの匂いがする!」と言われる申し訳なさ、その他全てのつらいことも「うめえ!」と言ってくださる一言で救われるから過剰にうま味を積んでいきたい。味は積むとうるさくなる場合があるけどうま味はどこまで積んでも良いはず。

 そんなこんなでうま味に対しての雑文でしたわよ。

 良かったらお店に来てネ!

※本文ココマデ※
ゥチに課金してくれるって偉人は。。。してね!家族に異変を。。。悟られるまで!

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