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良い先生とは(「夜間中学へようこそ」のシュウちゃん先生を思う)

連載してた「夜間中学へようこそ」の原作本は2016年発行の本です。3年とは色々起きるもので、その3年の間に夜間中学が「中学を卒業してても」入れるようになりました。中学にほとんど行ってないのに「卒業」した人にも門戸が開かれております。

で、その3年の間に変わったことで作品に注釈が必要になり「中学卒業を出来なかった」和真の説明がややこしくなりました。原作ではあえて卒業させてもらえなかった和真は夜間中学に行くしか高校に行く道が無いのですが、制度が変わったことでふわっとした形になりました。(迷ってるのは私だけなので、原作の山本先生には台詞修正でお世話になりました。)

さておき、連載は週に6ページ。半年なので最初の頃のエピソードは読者も忘れがち。序盤に出てきたシュウちゃん先生(主人公の現担任。和真の中学校の時の元担任)が最後の方(24話)に出てくるシーンは担当さんが「読者が忘れてるので説明を追加して」との一言で下記のように変えました。


キャプチャ

↓から

キャプチャ3

単行本ではもう少しページを使って自然に分かりやすくしてます。

シュウちゃん先生は和真が小学生の時の担任とは別。↓

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和真とシュウちゃん先生はほとんど会わなかったはずです。家庭訪問はしただろうから、何度か顔を合わせた位でしょう。

「中学卒業をさせなかった」シュウちゃん先生は一見和真の将来を閉ざしたようにも感じます。和真もそう感じたでしょうが、和真は既に小学校の時のことで「先生」そのものに期待してなかったでしょう。

夜間中学を描いていて主人公と共に感じたのは「学校」というのが勉強だけじゃないことを学べると言うこと(例えば絵も音楽も学校で基本的な道具から揃えないとかなりハードルが上がります。何気ない授業で自分の可能性に気付く人も多いのでは無いでしょうか?)でした。

加筆作業で台詞を追加しながら、「シュウちゃん先生は和真のことをよく覚えてたし、誰よりも和真を思って卒業させなかったのでは?顔を合わせることもほぼ無かったけれど和真にとって最良の先生だったのでは?」と思いました。

ほとんど顔を合わせなかった先生がその人にとって最良の先生ってちょっといいですね。

告知

「夜間中学へようこそ」がコミックスになります。

2020年3月12日発売双葉社から。よろしくお願いします

(コミックスコーナーに私の本が並ぶのは二桁年ぶりとか恐ろしくて言えない)(めでたいので買って下さい!!)

https://note.com/c_sawane/m/mb9c8205ccdf2

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