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小説まとめ

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僕の書いた小説の類いをまとめました。
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#シロクマ文芸部

仕事人間サラリーマン!! #シロクマ文芸部『月曜日』

月曜日が好きだ。 神に「仕事人間」というアビリティを付与され生きてきた私にとって、「休日…

camyu
2日前
67

春の夢 #シロクマ文芸部

「春の夢をテーマに描いてみてください」 絵画教室の先生から与えられた題材である。 春の夢…

camyu
1か月前
91

さくら(独白) #シロクマ文芸部『花吹雪』

花吹雪に抱かれながら、私はアナタに想いを馳せる。 アナタと出会ったのは小学生の時でした。…

camyu
2か月前
117

悲しき新生活。 20字×10本

おろしたてのワイシャツに苺ジャムをこぼす 初出勤の道中ピカピカの革靴で犬の糞を踏む 電車…

camyu
2か月前
95

4月1日の未来予想図 #シロクマ文芸部 お題:『始まりは』

「始まりはいつも、終わりがセットなのよ」 妻が言った。 「それはそうかも知れないけど、僕は…

camyu
2か月前
84

変身 #シロクマ文芸部「布団から」

https://note.com/komaki_kousuke/n/ncb35e1fcdb8b?sub_rt=share_pw 布団から出るのがどうに…

camyu
4か月前
113

果てしない白 #シロクマ文芸部「雪化粧」

雪化粧の施された道を歩く。 ザクザクと音をたてて。 見知らぬ道、見知らぬ景色。 意思はない、気付いたらそこにいた。 ザクザク、ザクザク。 前を見れば、果てしなく続く白。 上を見れば、ただひたすらに雪が降りしきり、 下を見ても、何があるかわからない。 ザクザク、ザクザク。 感じるのは、恐れ、不安、疑念、憂鬱。 それでも歩かなければいけない。 何故歩かなければいけないのか、 いつまで歩き続けなければならないのか、 それすらもわからない。 ザクザク、ザクザク。 答

思い出は夢の中で #シロクマ文芸部「逃げる夢」

「逃げる夢がずっと続いていて、それで困ってるんです」 目の前の女が言った。歳の頃は三十前…

camyu
7か月前
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幸せな誕生日 #シロクマ文芸部

「誕生日を迎える度に思ってたんです。いいかげん、誕生日をサッと躱して、加齢を避けられない…

camyu
7か月前
138

紅葉鳥 #シロクマ文芸部

紅葉鳥とケンちゃん書いて問う。 「なぁ君、これ読めるかい」 「こりゃそのままじゃないのかい…

camyu
7か月前
98

眼鏡の向こう側 #シロクマ文芸部「珈琲と」

「珈琲と紅茶、どちらが宜しいですか」 目の前に座る淑女に尋ねられた。 「珈琲が良いな。あ、…

camyu
7か月前
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りんご箱に詰まった想い #シロクマ文芸部「りんご箱」

りんご箱を開けると、中にはたくさんのりんごの他に、即席ラーメンや賞味期限の切れた食パン、…

camyu
8か月前
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秋桜 #シロクマ文芸部

「秋桜ってどう読むか知ってるかい」 ケンちゃんに呼び出され、馴染みの居酒屋で呑んでいる。…

camyu
8か月前
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自転車泥棒 #シロクマ文芸部

走らない自転車をひいて図書館へ向かう。 涼しくなって来たとは言え、役割を果たさない自転車を運ぶのはなかなかに面倒だ。 「なぁ君、こないだ借りたチャリンコだがな、うんともすんとも走らなくなっちまったよ」 受付の黒縁眼鏡の兄ちゃんに申し伝える。 「弁償」 兄ちゃんはこっちを見るでもなく、ボソッと呟いた。 「いや君これは経年劣化と言うんだ。こっちの膝が冬は痛むのと同じで、借りた時にはもう痛んでたんだよ」 「修理」 「二文字しか喋れないのか君。あいわかった、修理をして返そう」 「