命乞いする蜘蛛 #毎週ショートショートnote
「餌いねーかなー」
一匹の蜘蛛が天井から糸を垂らして降りて来る。
「あっ、クモさんだぁ」
2歳になったばかりの友理が、カーペットを這う蜘蛛を見つけ、ロックオンした。
ドタバタと蜘蛛のもとに駆け寄る友理。
「ねぇクモさーん」
殺気を感じた蜘蛛は全力で逃げる。
「ちょっ…、なんなんだい、こちとら潰されるのは御免だぜ。人間のガキはやべぇってのは、蜘蛛の世界じゃあ常識だからな」
蜘蛛の常識など露ほども知らぬ友理は一心不乱に追いかける。綺麗好きな母により整理の行き届いた部屋では、