見出し画像

選ばなかった道、別の人生(本、映画紹介)

何を食べるか、何を着るか、どこを歩くか 
どこに進学するか、就職するか、転居するか、仕事を引き受けるか

大きな選択から小さな選択まで、人生には数多く選択を迫られる場面があります。ケンブリッジ大学のケンブリッジ大学Barbara Sahakian教授の研究によると人は1日に最大3万5000回もの決断をしているそうです。「決断疲れ」という言葉もありますよね。
そしてそれが大きな決断であればあるほど難しい。

あの時自分が別の道を選んでいたら

その時どれだけ頭を悩ませ、決断しても現状に満足できないと別の人生を思ってしまう時ってあるんじゃないでしょうか。
別の人生をいくら考えても何も解決しなくて、より良い選択がどれかなんて結局わからない。未来はわからないからこそ難しく、そして面白くもありますよね。

今回は、そんな人生の選択を題材にした本や映画を紹介してみたいと思います。

「天使のくれた時間」 (映画)

優雅な独身生活を謳歌していたビジネスマンが昔の恋人との“もうひとつの人生”を体験することで本当の幸せに目覚める姿を描いた大人のファンタジー。成功を夢見て恋人ケイトと別れロンドンへ旅立ったジャック。13年後のいま、ジャックは大手金融会社の社長として、優雅な独身生活を満喫していた。クリスマス・イブ、昔の恋人ケイトからの電話があったが、かけ直すことはしなかった。その夜、自宅で眠りについたジャックだが、目覚めると、ケイトと我が子2人に囲まれた家庭人ジャックになっていた……。

allcinema

まず関係はないけれど言わせてください。ケイト役のティア・レオーニさんがほんとに可愛い。きらきらした瞳とか、瞳が綺麗とか、宝石みたいだとか。今までそういうことを人に対して感じたことはなかったんですが、彼女の瞳が魅力的すぎて釘付けになっちゃいました。おまけに仕草もかわいいんです。。

この作品では恋人ケイトを置いて遠方の仕事に行くかどうか、という一つの選択に焦点が置かれています。
愛、お金、地位…。人生において大切なものは何か、そして自分が何を選択するのか、そんなことについて考えさせられる作品でした。

クリスマスの出来事を描いた物語なのでクリスマスに見るのもおすすめ。心が温まり、見た後も余韻に浸れるような満足感が得られる作品です。


「2つの人生が教えてくれること」 (Netflixオリジナル作品)

大学の卒業式の夜、妊娠検査薬を使ったナタリー。妊娠していた場合と、していなかった場合。彼女の人生は2つに分かれ、並行してそれぞれの物語が展開する。その行く末に待ち受けるものは?

Netflix

この作品も「天使のくれた時間」と同様に一つの選択に焦点が置かれています。自分が妊娠していたかどうか。特徴的なのは妊娠した場合としなかった場合の人生が並行して描かれている点。

この作品は気軽に海外映画を見たい時にちょうどいいなと感じました。妊娠した場合としなかった場合という点は人生の中でも大きな分岐点となりますが、その後の物語自体はそこまでシリアスに描かれていません。
特に今、この選択でよかったんだろうかと不安になっている人。そんな人を励まし、背中を押してくれるような作品です。


「ミッドナイト・ライブラリー」 (海外文学)

ノーラはその日人生のどん底にいた。飼っていた猫を亡くし、仕事をクビになり、いくら悲しくても話を聞いてくれる家族も友人もいない。頭をめぐるのは後悔ばかり。
「私がもっといい飼い主だったら」「両親にも亡くなる前にもっと親孝行ができていたら」「恋人と別れなければよかった」「故郷に戻らなければよかった」
生きている意味などもうないと、ノーラは衝動的に自らの命を絶とうとする。
だが目覚めたとき、目の前には不思議な図書館が佇んでいた――。

ハーパーコリンズ・ジャパン

この作品では一つの選択ではなく、人生でしていたかもしれない大小様々な選択について描かれています。

文章量が単行本サイズで438ページと少し多め。海外文学を読んだことがあまりないので確かなことは言えないですが、ちゃんと理解できない部分(これは私の知識量、理解力の問題でもあるかと思います🙇)、説明が少しくどいと感じる部分が少々ありました。なので個人的には少し読みにくいと感じました。

ただ、読んで後悔はしていません。少し長いけれど、主人公であるノーラと一緒に色々な人生を旅してみて肩の力が抜けたような、そんな気がしました。もっと気楽でいていいんじゃないか、と。数年後にもう一度読み直すとまた違った味わい方ができるかもしれません。

常に完璧を目指してしまう、他人の人生ばかり羨んでしまう。そんな人にもおすすめしたい。人生についての本ということだけでなく、純粋にファンタジーとしても楽しめる。そして何より“真夜中の図書館“という響きが素敵だと感じた一冊です。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?