わたしが同人印刷所を選ぶときにすること

ふと思ったので、忘れないうちに残しておきます。わたしは同人誌ごとに「作りたいもの」と「自分の作業ペース」で印刷所を選んでいます。

(マンガ同人誌の話です)


①同人誌を観察する

自分の同人誌を考える前に、あらためて人の同人誌をよく見ます。

サイズ

A4、B5、A5、B6、文庫など、本の大きさを見ます。

表紙の加工と紙

表紙のラミネート加工(PP)を見ます。

  • 全面がツヤがある:クリアPP

  • 全面にツヤがない:マットPP、ベルベットPP

  • 全面のツヤに柄がある:ホログラムPP

  • ラミネート加工がされていない

表紙の紙を見ます。

  • 紙そのものの色

  • 紙そのもののキラキラ

  • 紙そのもののデコボコ

表紙の加工を見ます。

  • 部分的に光っている

  • 部分的にもりあがっている

  • 部分的にへこんでいる

  • 部分的に切り抜かれている

  • 白色、蛍光色、メタリック色がある

  • 表紙の内側にも印刷がある

本文の紙と印刷

本文の紙を見ます。

  • 紙の触り心地

  • 紙の色

  • 紙の厚さ

本文の印刷を見ます。

  • インクのテカリ

  • 面のムラ

  • 線の鮮明さ

綴じ方

本の綴じ方を見ます。

  • ホッチキスがある:中綴じ

  • ホッチキスがない:無線綴じ

奥付

この本が、どの印刷所で作られたのかを見ます。印刷所を調べると、使われた紙や加工を推測できます。同じ印刷所も使えます。

そうして、自分の同人誌でやりたいこと、できることを考えます。


②自分に用意できるお金を考える

予算です。失っても生活に不自由しない額面にします。


③お金と装丁のポリシーを考える

同人誌ごとに、その本のポリシーを考えます。

手頃に作る本

装丁は考えません。同人印刷所のセット通りに作ります。

ちょっと凝る本

予算内で装丁を考えます。同人印刷所のセットに、紙替えや加工といったオプションを加えて作ります。予算オーバーのオプションはあきらめます。

とにかく理想の本

予算を度外視して装丁を考えます。同人印刷所へ問い合わせて、やりたいことを相談し、印刷費の見積もりを出してもらいます。オーダーメイドなので、思ったような仕上がりにならないリスクがあります。


④部数を考える

100部を超えるときは、オフセット印刷を考えます。


⑤自分の作業ペースを考える

同人印刷所は入稿した日によって印刷費が決まります。締切(入稿日)は、同人イベントの開催日(納品日)によります。

  • 入稿がイベントから早まるほど、安く(割引)

  • 入稿がイベントに近づくほど、高く(割増)

同人誌ごとに、自分の状況と作業ペースを考えます。

余裕をもって作業できそう

入稿日を早めに設定して、割引率の大きい印刷所にします。

イベント前日まで作業しそう

入稿日を妥当に設定して、通常料金が手頃か、割増率の小さい印刷所にします。


⑥同人印刷所を比べて決める

装丁・部数・入稿日をもとに、2〜3社の同人印刷所で見積もります。印刷費のほか、以下もふまえ、折り合いをつけて決めます。

  • 見積もりのわかりやすさ

  • 入稿のしやすさ

  • セットに含まれる紙の選択肢

  • オプションで使える紙や加工の選択肢

  • 印刷所の中の人の印象



同人誌を作りはじめたとき、印刷所の評判を知ろうと、SNSを見たり、友人に聞いたりしました。実際に作ってみると、どの印刷所も、美しく印刷してくれます。だからこそ、この状況で、この本は、この印刷所、と組み合わせを考えるようになりました。



(どこかおもしろかったら、♡をもらえると安心します)



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