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リスペリドン液を水で飲む理由


精神科の薬で結構よく使われる「リスペリドン(製品名:リスパダール)」。錠剤、液体、細粒と剤形はいろいろありますが、患者さんも看護師も一番手軽だなと思うのが「液体」。これ、水なくても飲めます。もちろん、後味が嫌で水とかと飲む人が多いですが、水無しで飲めるのはとても便利だと思います。

そんなリスペリドン液、正確にはリスペリドン内用液ですが、これ、お茶と飲むと効果が下がるんです。

ってことは聞いたことあったんですが、すっかり忘れてて。今回、その根拠を調べてみました。いろんな文献とか探さないといけないかなと思ったけど、案外かんたんに見つかりました(笑)

共和薬品工業のホームページにありました。

「リスペリドン内用液分包「アメル」と飲料水等との配合変化試験結果」
https://www.amel-di.com/medical/di/download?type=19&pid=1062&id=0

ざっと見てみると、茶葉を使ったお茶に入れるとリスペリドン含量がぐっと低くなってます。特に紅茶に入れると30%前後まで下がってしまう。まだ緑茶のほうが60%程度含有量がある。また、グレープジュースでも低下するのが見られます。詳しくはこの報告書を読んでいただきたいのですが、おもしろいことに、お吸い物で飲んでも味噌汁で飲んでも含有量が大きく下がりません。

結論として「茶葉で抽出したお茶」「グレープジュース」でリスペリドン内用液を飲むのはだめ!

(はと麦茶、麦茶も思わずだめって言いそうになる自分がいます(笑)たまに間違えてしまいますよね。)

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