夜のダンスホール

たまに、「音楽を聴きながら夜空を浮遊していたいな」と考えることがある。

まだ電気の付いているビル群を横目に、知らないおじさんが千鳥足で帰っていたり、どこかのカップルが痴話喧嘩をしていたり、同世代ぐらいの子たちが大勢でバカ騒ぎしていたりを眺めながら音楽を聴いていたい。

飛び方は飛行機やヘリコプターみたいな大きな塊に包まれるでもなく、はたまた鳥みたいな翼を生やして飛ぶのではなく。
アイアンマンみたいになるべく人の形を保った状態で浮遊していたいな。
あ、でもアイアンマンも鉄の塊だ。
何か特殊能力を付けるしかないのかな。

そもそも、なんでこんなことを思うようになったのかいまいち思い出せないけど何となく、眠れない夜にカーテンを開け、そこから漏れる近くの街灯だけを明かりにベッドに横になりながらイヤホンで音楽を聴いたのが始まりなのだろうと思う。
よくわからない黒い影に自分が飲み込まれるとき、それが安定剤だったのかも知れない。

現実主義の私が見る数少ない夢。

近い将来、空を飛べる何かが生まれてくれないかなという淡い期待と
自分が死んだら沢山出来るのかな。でもプレイヤーとかあの世にあるのかな。この世の音楽はなくて、全部向こうの人が作った曲かも。といういらない心配

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たぶん、あの瞬間はすべてを忘れて月のミラーボールで踊り狂ってたんだな。

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