爪先がよろこんでいた。
いくつか先の駅までお散歩。
雨上がりのコンクリートとご挨拶。
意図せずできた待ち時間、モスバーガーを買って。
景色って、思い出って、いっしょに見るひとによって変わる。
あの楽しい思い出は、あの場所だったから、あの日だったから、ということよりも前に、あのひとといっしょだったから、かもしれない。
行き慣れた街も、きょうのわたしにとっては特別。
ため息だって、キラキラ輝いていた。
傷ついているほうが魅力的に見えたり、まっさらなほうが素敵だと思ったり。
いろんな日があるけれど。
他人のことばに殺される日があるけれど。
あしたもまた泣いているかもしれないけれど。
きょうがあった。それだけでいい。
小気味よく生きられなくても。それでいい。
雨上がりは春のにおいがしていた。
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